Googleアナリティクスのトラッキングコードとは?発行、確認方法を解説
- 2020.04.17
- Googleアナリティクス
- トラッキングコード
Googleアナリティクスのトラッキングコードは、サイト内に配置しなかったり、誤った配置の仕方をするとアクセスデータの収集が行われなくなるため、アクセス解析を行う上で最も重要なコードです。
この記事では、トラッキングコードの発行方法や設置方法、動作確認の方法を解説します。
Googleアナリティクスのトラッキングコードとは
Googleアナリティクスのトラッキングコードとは、アクセスデータを収集するためのタグ(JavaScriptコード)のことです。ページにトラッキングコードを設置すると、サイトにアクセスしたユーザーの情報がGoogleアナリティクスに記録されていきます。
トラッキングコードの発行方法
Googleアナリティクスのトラッキングコード(タグ)を発行するには、Googleアナリティクスに登録します。
なお、プロパティを追加することで、新しいトラッキングコードを発行することもできます。プロパティの作成方法については、以下を参照してください。
トラッキングコードの確認方法
Googleアナリティクスのトラッキングコードはプロパティごとに発行されるため、プロパティの情報から確認することができます。ただし、プロパティの種類によって確認の方法が異なるため、注意が必要です。
ユニバーサルアナリティクスプロパティを使用している場合
プロパティの「トラッキング情報」内にある、「トラッキングコード」をクリックすると、トラッキングコードが確認できます。
「グローバルサイトタグ」部分がトラッキングコードです。
「トラッキングコード」が表示されていない場合
Googleアナリティクス4(GA4)プロパティを利用している可能性があります。
GA4プロパティは、2020年11月に正式リリースされた機能であり、従来のユニバーサルアナリティクスプロパティとは動作や表示が大幅に異なります。可能であれば従来のユニバーサルアナリティクスプロパティの設定でプロパティを作り直すことをお勧めします。
なお、GA4プロパティでのトラッキングコードの確認方法は、まずプロパティの「データストリーム」を選択します。
「ウェブ」内にあるストリームをクリックすると、トラッキングコードが確認できます。

「グローバルサイトタグ」をクリックすると、トラッキングコードが表示されます。
トラッキングコードの設置方法
Googleアナリティクスのトラッキングコードは、分析するサイトのすべてのページに設置します。ここでは、トラッキングコードの設置方法を、よくある3パターンに分けて説明します。
HTMLファイルを編集する場合
コーポレートサイトなど、静的なサイトの場合には、各ページのHTMLを直接編集します。
headタグの閉じタグ直前に、トラッキングコードを記述してください。

WordPressの場合
WordPressの場合には、全ページで共通で読み込むテンプレート(header.php)にトラッキングコードを記述することで、全ページにまとめてトラッキングコードを設置できます。
また、WordPressには、トラッキングコードを自動で記述するプラグインが用意されている場合があります。この場合、プラグインが記述するトラッキングコードと自分で記述するトラッキングコードで、2重に記述されることがないように気を付けてください。
Googleタグマネージャーを使う場合
Googleタグマネージャーを使用している場合には、タグマネージャーの管理ツール上でトラッキングコードを追加することで、タグマネージャーの導入されている全ページにトラッキングコードを設置することができます。
Googleタグマネージャーの導入方法や設定方法は、以下を参照してください。
トラッキングコードを複数設置する場合
サイトの構成や分析したい内容によっては、1つのサイトに複数のトラッキングコードを設置する必要が出てくる場合があります。
その場合、ユニバーサルアナリティクス(現行のトラッキングコード)の場合には問題ありませんが、従来のアナリティクスコードを使用している場合には、複数設置してしまうとうまく動作しなくなってしまいます。
1つのサイトに複数のトラッキングコードを設置する場合には、既存のトラッキングコードに以下の赤字部分の記述を追加します。(一部抜粋)
ga('create', 'UA-12345678-90', 'sample.co.jp');
ga('send', 'pageview');
ga('create', 'UA-09876543-21', 'auto', {'name': 'otherTracker'});
ga('otherTracker.send', 'pageview');
</script>
追記している部分の「UA-09876543-21」は、追加するトラッキングIDが入ります。
「otherTracker」には、任意の名前を入れてください。
トラッキングコードの動作確認方法
Googleアナリティクスのトラッキングコードの動作を確認するには、リアルタイムレポートを使います。正しく動作していないときは、Tag AssistantやGoogle Analytics DebuggerなどのChrome拡張機能を利用して原因を調査します。
リアルタイムレポートに記録されるか確認する
トラッキングコードが正しく動作しているかを確認する一番簡単な方法が「リアルタイムレポート」です。
Googleアナリティクスのレポートは、指定した期間内の集計値を表示するものがほとんどですが、リアルタイムレポートは過去30分以内のアクセスデータをリアルタイム表示してくれます。動作確認のときに重宝するレポートですね。
リアルタイムレポートでの確認方法
確認手順は以下の通りです。
- Googleアナリティクスのメニューで [リアルタイム]-[コンテンツ] を選びます。
- [ページビュー数]タブをクリックします。
- 計測対象のサイトにアクセスし、自分のアクセスしたページが記録されているかを確認します。

サイトにアクセスするたびに、ページビュー数が増えていけば成功です。
イベントを確認するときは、[リアルタイム]-[イベント]を選びます。
ページビュー数が多いときの確認方法
アクセス数が多いなどの理由で、リアルタイムレポートに自分自身のアクセスが含まれているかわからない場合は、URLの一部を検索ボックスに入力するとよいでしょう。
たとえば、検索ボックスに ?test と入力して検索ボタンをクリックします。そのあと、 https://example.com/foo/?test のようにURLにクエリーパラメータを付けてアクセスすると、自分自身のアクセスが記録されたかどうかが分かりやすくなります。

記録されないときのチェックポイント
リアルタイムレポートに何も表示されないときは、いくつか原因が考えられます。
- トラッキングコードがHTMLに配置されていない
- オプトアウトアドオンがインストールされている
- トラッキング先ではないプロパティのビューを見ている
- ビューのフィルタで除外されている
- トラッキングコードに誤りがある
それぞれ説明していきます。
トラッキングコードの未設置
単純にトラッキングコードが設置されていなかったという理由です。HTMLソースを開き、トラッキングコードのscriptタグが含まれているかを確認してください。
Googleタグマネージャーを使用しているときは、以下の記事を参考にしてください。
WordPressを使用しているときは、以下の記事も参考にしてください。
WordPressのテーマによっては、WordPress管理画面にログインしていると、Googleアナリティクスのトラッキングコードが出力されないことがあります。そのようなときは、WordPressからログアウトするか、別のブラウザからサイトにアクセスしてみてください。
オプトアウトアドオンがインストールされている
Googleアナリティクス オプトアウトアドオンをブラウザにインストールしていると、トラッキングコードが正しくても、Googleアナリティクスにアクセスデータが送信されません。
オプトアウトアドオンがインストールされている場合は、一時的に無効にしてみてください。
トラッキング先ではないプロパティのビューを見ている
トラッキングコードはトラッキングID(UA-XXXXXXX-X)で指定されたプロパティへデータが送信されます。現在、リアルタイムレポートを表示しているプロパティのトラッキングIDと一致していないときは、見ているビューが間違っています。トラッキングIDが一致するプロパティのビューに切り替えて確認してみてください。
トラッキングコードから送信されているトラッキングIDを確認するには、Chrome拡張機能「Tag Assistant」が便利です。
ビューのフィルタで除外されている
リアルタイムレポートに含まれるアクセスデータも、フィルタが適用されているので、フィルタによってアクセスが除外されている可能性があります。
たとえば、会社のIPアドレスを除外するようなフィルタが設定されていると、会社のPCからアクセスしたときにリアルタイムレポートには表示されません。テストサイトを除外するフィルタが設定されていると、テストサイトにアクセスしてもリアルタイムレポートには表示されません。
そのようなときは、ビューを切り替え、フィルタが一切指定されていないビューで確認してみてください。
Googleアナリティクスでアカウント・プロパティ作成後に自動的に用意されるビュー「すべてのウェブサイトのビュー」はフィルタなど一切設定せず、名前の通り、すべてのアクセス情報を記録するビューにしておきましょう。動作確認時に使うだけでなく、フィルタ設定を間違えた時の救済措置としても利用価値があるためです。
トラッキングコードが間違っている
Googleアナリティクスのトラッキングコードの誤りによって、計測ができていない可能性があります。
以下の手順で、Googleアナリティクスのトラッキングコードを確認し、HTMLに同じコードが設置されているかをチェックしてみてください。
- Googleアナリティクスにログインし、管理画面を開きます。
- 対象サイトを含むアカウント/プロパティを選択します。
- プロパティ列の[トラッキング情報]-[トラッキングコード]メニューをクリックします。
- グローバルサイトタグ(gtag.js)に表示されているテキストがトラッキングコードです。

また、ここまで確認しても原因が分からない場合は、トラッキングコードをカスタマイズした部分を疑った方がよさそうです。以下の記事を参考にしてみてください。
- 関連記事:Googleタグマネージャーの使い方
- 関連記事:クロスドメイントラッキングの設定・計測方法
- 関連記事:analytics.jsからgtag.jsへ移行する方法
- 関連記事:イベントトラッキングの設定方法
- 関連記事:GoogleアナリティクスのeコマーストラッキングでECの売上管理をカンタンに
まとめ
トラッキングコードの動作確認方法と問題の解決方法を紹介しました。
上記で紹介しなかった調査ツールとしては、Chrome拡張機能「Google Analytics Debugger」があります。この拡張機能を使うと、イベントトラッキングやEコマーストラッキングなど、高度なトラッキングコードの調査ができます。もっと詳しく調査したいときに活用してみてください。