GA4でカスタムイベントを設定する方法｜注意点や計測の確認方法も解説

2024年10月4日

GA4には、既存で用意されたイベントがありますが、既存のイベントで計測できないデータを収集したい場合にカスタムイベントを設定して情報を収集できるようにします。
この記事では、カスタムイベントの設定方法を解説します。
また、設定の注意点や計測の確認方法、イベントが表示されないといったトラブルの解決方法も紹介します。

GA4上でカスタムイベント・キーイベント(CV)を設定する方法、探索レポートの基本的な使い方については定期開催しているオンラインセミナーでも解説しています。

カスタムイベントとは

GA4のカスタムイベントは、GA4の既存イベントで収集できない情報を確認する場合に、Webサイト管理者が作成する独自のイベントのことです。

GA4では下記の2種類のイベントを自動で収集していますが、それぞれのイベントで計測の条件がきめられています。

自動収集イベント：設定不要で自動で収集(計測)されるイベント
例：セッションスタート・ユーザーエンゲージメント
拡張計測機能イベント：「測定機能の強化」をONにすることで収集されるイベント
例：ページビュー数・スクロール数・離脱クリック

そこで、上記のイベントとは別にWebサイトのデータを計測する場合に、カスタムイベントを設定します。カスタムイベントでは自由なイベント名とパラメータを指定することができます。

例えば、リンクのクリック数を計測をする場合、GA4の「拡張計測機能イベント」機能内にあるイベントを利用できますが、外部サイトへ移動（遷移）を行ったという場合のみの計測になります。そのためサイト内の回遊、つまり内部遷移を計測したいとなるとカスタムイベントを設定する必要があります。

カスタムイベントを設定する前に注意すること

カスタムイベントを設定をするうえで計測のエラーや二重計測を事前に防ぐために3つのことを確認します。

デフォルトのイベントには何があるのか
イベントの命名規則はどのようなものなのか
イベントの設定条件は何なのか

1.デフォルトのイベントには何があるのか

GA4のデフォルトのイベントは以下のようなものがあります。表には代表的なイベントとパラメータのみをまとめています。他のイベントとパラメータ一覧はアナリティクスヘルプから確認してください。

確認する理由は、二重計測を避けるためです。GA4ではデフォルトのイベントとカスタムイベントの設定内容が被ってしまうと二重計測になってしまいます。このようなトラブルを避けるためにデフォルトのイベントを確認します。

自動収集イベントの一覧

イベント	パラメータ
page_view(ウェブ)	page_location（ページの URL） page_referrer（前のページの URL ) engagement_time_msec
scroll（ウェブ）	engagement_time_msec
click(ウェブ)	link_classes(リンクのクラス) link_domain(リンクのドメイン) link_id(リンクのID) link_url(リンクのURL) outbound(プール値)
file_download（ウェブ）	file_extension file_name link_classes link_id link_text link_url

引用元：[GA4] 自動収集イベント

拡張イベント計測機能の一覧

イベント	パラメータ
page_view(ページビュー)	page_location(ページのURL) page_referrer(前のページのURL)
scroll(スクロール数)	※パラメータはありません
click(離脱クリック)	link_classes(リンクのクラス) link_domain(リンクのドメイン) link_id(リンクのID) link_url(リンクのURL) outbound(プール値)

引用元：[GA4] 拡張イベント計測機能

推奨イベントの一覧

イベント	トリガーのタイミング
generate_lead	ユーザーが問い合わせのためにフォームまたはリクエストを送信したとき
join_group	ユーザーがグループに参加したとき
login	ユーザーがログインしたとき
purchase	ユーザーが購入手続きを完了したとき
refund	ユーザーが払い戻しを受け取ったとき

引用元：[GA4] 推奨イベント

2.イベントの命名規則はどのようなものなのか

イベントに命名する際にはルール、つまりは命名規則があります。ここでは、命名する際に注意する3つの点を解説します。

イベント名は大文字と小文字で区別されます。例えば、Page_Scrolled と page_scrolledは別のイベントとなります。
イベント名には英数字とアンダースコアのみが使用できます。また、先頭の文字は英字にする必要があり、スペースは使用できません。

NG例	OK例
ページ_スクロール	page_scrolled
ページ　スクロール	Page_Scrolled
123_ page_scrolled	page_scrolled_123

イベント名にGA4側で決められた予約語を避ける。予約語は簡単にいうと使用できない単語のことです。ウェブサイトとモバイルで使用できない予約語が異なるので代表的なものを下記にまとめておきます。他の予約済みのパラメータ名やプロパティ名はアナリティクスヘルプで確認できます。

ウェブの予約語
click
file_download
scroll

モバイルの予約語
ad_click
first_visit
screen_view

引用元：[GA4] イベントの命名規則

3.イベントの設定条件は何なのか

イベントには作成できる数や名前の長さの設定に制限があります。以下の表の設定条件に従い、上限を超えないように設定してください。他の条件はアナリティクスヘルプで確認してみてください。

項目	条件
イベント数	500件
イベント名の長さ	40文字
1イベントあたりのパラメータ数	25個
パラメータ名の長さ	40文字
パラメータ値の長さ	100文字

引用元：[GA4] イベントの収集に適用される上限

カスタムイベントを設定する２つの方法

カスタムイベントを設定する方法は以下の２つがあります。

Googleアナリティクス4（GA4）
Googleタグマネージャー（GTM）

1つ目はGA4で設定する方法です。こちらでは既存のイベントを組み合わせることでカスタムイベントを作成することが出来ます。

2つ目はGTMで設定する方法です。こちらでは独自のイベント名とパラメータを作成できます。既存のイベントに該当するイベントがない場はこちらの方法でカスタムイベントを設定する必要があります。

それでは設定手順を解説します。

Googleアナリティクス4（GA4）で設定する

ここでは、とあるサイトの予約完了ページのPV数を個別にカウントする方法を例に設定手順を解説します。

設定手順はオンラインセミナーでも解説しています。探索レポートの基本的な使い方もご紹介していますので、こちらも是非チェックしてみてください。

サイドバーの「管理」を選択する
プロパティ内の「イベント」を選択する

「イベントを作成」を選択する

右上の「作成」を選択する

カスタムイベント名は「任意の名前」を入力する
※イベント名は命名規則に従って入力してください。
※ここはカスタムイベント名を「reservation_complete」と設定しました。

一致する条件の項目を埋めて行きます。

パラメータは「event_name」を選択する
演算子は「次と等しい」を選択する
値は「page_view」を入力する
「条件を追加」を選択する
※条件は最大で10件まで追加できます。

パラメータは「page_location」を選択する
演算子は「次と等しい」を選択する
値は「任意のURL」を入力する
※演算子によっては、URLが「http://」または「https://」で始まる必要があります。
※ここでは予約完了ページのページパス「/reservation/complete.html」を設定しました。

パラメータにpage_location、演算子に次を含む、値に任意のページパスを入力

パラメータ設定の項目の「ソースイベントからパラメータをコピー」のチェックは外さないで問題ありません。

「作成」を選択する

これで予約完了ページのPV数を個別に計測できるようになりました。設定後は計測が正しく行えていることを確認をします。カスタムイベントを確認する方法は下記に記載しています。

関連ツール：各ページのイベントを簡単に確認できる【アナトミー】

Googleタグマネージャー(GTM)で設定する

GTMのアカウントをお持ちでない方は下記の関連記事からアカウントの作成を行ってください。

関連記事：Googleタグマネージャーの使い方

それではGTMで以下の5つの項目を設定していきます。設定内容によってはGA4プロパティのタグと変数の設定が不要な場合があります。

GA4プロパティのタグ
変数
トリガー
Googleタグ
タグの公開

ここではページのスクロール率を細かく計測する設定方法を例に解説します。

測定IDの確認

設定する前にGA4の測定IDが必要になるので測定IDの確認方法から解説します。

GA4のサイドバーの「管理」を選択する
プロパティ列の「データストリーム」を選択する

任意のデータストリームを選択する
※データストリームが複数ある場合はどのデータストリームで計測を行うのか確認してください。

GA4で「測定ID」をコピーする

次にGA4プロパティのタグの設定をします。

GA4プロパティのタグの設定

このタグは、Googleタグを設定する上で必要になります。既に設定されている場合は変数の設定に進んでください。
まずはじめにGTMへログインします。

GA4の画面の右上の「サービスを切り替える」を選択する

Googleマーケティングプラットフォームの「タグマネージャー」を選択する

設定するアカウントを選択する
※ここでは使用するアカウントに間違いがないか確認してください。

サイドバーの「タグ」を選択する
タグ内の「新規」を選択する

「任意の名前」を入力する
※GA4プロパティのタグだと分かるように名前を決めてください。
※ここでは「RAIDEAWAYGA4 設定」と設定しました。
「タグの設定」を選択する

タグタイプの選択は「Googleアナリティクス:GA4 設定」を選択する

「測定ID」を貼り付ける
「トリガー」を選択する

トリガーの選択で「All page」を選択する

「保存」を選択する

次に変数の設定をします。

変数の設定

GTMの変数は、ウェブサイトとモバイル内で収集するデータ(値)を格納する箱です。GTMでは事前に用意された「組み込み変数」という変数があります。この変数ではページの情報やユーザーの情報を簡単に取得できるようにします。例えばページURLやクリックされた要素のデータを格納する箱が事前に用意されているイメージです。
それでは設定方法を解説します。

サイドバーの「変数」を選択する
組み込み変数の「設定」を選択する

組み込み変数の設定のスクロール内の「Scroll Deph Threshold」を選択する

トリガーの設定

トリガーはページビューやクリックなどのイベントが検出された際にタグを呼び出すためのものです。タグを設定する場合は少なくとも1つ以上のトリガーを設定する必要があります。

サイドバーの「トリガー」を選択する
トリガーの「新規」を選択する

「任意のトリガー名」を入力する
※ここでは「scroll_percentage(スクロール率)」と設定しました。
「トリガーの設定」を選択する

ユーザーエンゲージメント内の「スクロール距離」を選択する

「縦方向スクロール距離」を選択する
割合に「任意の数値」を入力する
※ここでは10%間隔でスクロール率が計測できるように設定しました。
「保存」を選択する

Googleタグの設定

サイドバーの「タグ」を選択する
タグ内の「新規」を選択する

「任意のタグの名前」を入力する
※ここでは「RAIDEAWAYGA4_スクロール率」と設定しました。
「タグの設定」を選択する

タグタイプを選択で「Googleアナリティクス :GA4 イベント」を選択する

GA4プロパティのタグは「各自で準備したGA4プロパティのタグ」を選択する
※ここでは上記で作成した「RAIDEAWAY GA4 設定」を設定しました。
イベント名は「任意のイベント名」を入力する
※ここでは「percent_scroll」と設定しました。

イベントパラメータの「行を追加」を選択する

パラメータ名は「任意のパラメータ名」を入力する
※ここでは「percent_scrolled」と設定しました。
値の「＋」を選択する

「Scroll Depth Threshold」を選択する

「トリガー」を選択する

目次番号3-4で設定したトリガーを選択する

「保存」を選択する

タグを公開する

最後に公開をすればGTMの設定がGA4に反映されて計測できますが、公開する前に「プレビュー」機能を使って設定したタグに問題がないか確認します。

右上の「プレビュー」を選択する

「Connect」を選択する

計測ができている場合は「Tags Fired」に設定したタグが表示されます。

パラメータの注意点

GA4ではディメンションでイベント名を確認できますが、パラメータは確認できません。例えばスクロール率の場合パラメータの箇所に10％や50％と指定してあります。そのためパラメータをGA4のレポートに表示させるにはカスタムディメンションの設定が必要になります。カスタムディメンションの設定の設定は下記の記事に記載しています。