GA4でクリックイベントを計測する方法|計測設定から探索レポートでの確認方法まで解説

Googleアナリティクス4(GA4)でアクセス解析をしていると、なにかと使用するクリックイベントは、自動で計測するものもあれば自身で設定を行わなければならないものもあります。

当記事では、GA4でのクリックイベントの概要や計測方法、計測したクリックイベントを探索レポートで確認する方法をご紹介します。

探索レポートの基本的な使い方は下記オンラインセミナーでも解説していますので、探索レポートについて学びたい方はこちらもチェックしてみてください!

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目次

GA4のクリックイベントとは

Googleアナリティクスでは、ユーザーがWebサイト上で行動を起こしたときに「イベント」を発生させ、そのイベントを計測します。例えば、サイトから離脱する外部リンクのクリックや、ExcelファイルやPDFファイルを開くリンクのクリックといったユーザーの行動を計測します。

GA4 でクリックイベントを計測する方法

GA4でクリックイベントを計測するには「拡張計測機能イベント」か「カスタムイベント」のどちらかを使用します。

  • 拡張計測機能イベント:「測定機能の強化」をONにすることで収集されるイベント。クリックイベントの内、「離脱クリック」「ファイルダウンロード」の計測が可能
  • カスタム イベント:独自のイベント名やパラメータを設定して収集するイベント。拡張計測機能で計測できないクリックイベントをカスタムイベントで設定する

もっとも簡単な計測方法は拡張計測機能を利用することですが、計測条件があらかじめ指定されています。様々な条件でイベントを計測する場合はカスタムイベントを使用します。

拡張計測機能によるクリックイベントの計測

拡張計測機能の概要

拡張計測機能イベントは設定をONにするだけで、7種類のイベントを簡単に計測できます。ページビュー(PV)以外のイベントは個別に計測をするかどうか切り替えることができます。クリックに該当するイベントは「離脱クリック」と「ファイルのダウンロード」です。

イベント名概要
ページビュー(PV)ページが読み込まれると記録される。OFFにはできない。
スクロール数ページの下部(90%)までスクロールすると記録される。
離脱クリック別のドメイン(別のサイト)へのリンクをクリックすると記録される。
サイト内検索サイト内検索をすると記録される。
動画エンゲージメント動画の再生開始、進捗(%)、再生終了が記録される。
ファイルのダウンロードpdf、zipなどの形式のファイルダウンロードをすると記録される。
フォームの操作フォームの操作(同一セッションで1回まで)とフォームの送信をすると記録される。
引用元:[GA4] 拡張イベント計測機能

拡張計測機能で計測されたイベントはアナトミーにて簡単に確認できます。

拡張計測機能の設定方法

次に、拡張計測機能をON/OFFにする方法を確認してみましょう。

  1. Googleアナリティクスにログインし、サイドバー下部の「管理」を選択する
  2. データの収集と修正の中にある「データ ストリーム」を選択する
  3. 設定を行う「データ ストリーム」を選択する
    ※データ ストリームが複数ある場合は該当するものを選択してください
  1. 拡張計測機能」をONにする
  2. イベントの設定をするために「歯車マーク」をクリックする
  1. 計測したいイベントの設定をONにする

設定が完了してもレポートや探索に反映されるまでには時間がかかります。すぐに計測できているかの確認をするには過去30分のユーザーの行動を確認できるリアルタイムレポートで確認しましょう。

カスタムイベントでクリックイベントを設定する方法

カスタムイベントはGA4で設定する方法、Googleタグマネージャー(GTM)を使用する方法、gtag.jsを記述する方法があります。

しかし、GA4上では既存のイベントを組み合わせてカスタムイベントを作成するので、内部リンクやボタン等のクリックを計測できない場合があります。また、gtag.jsを記述する場合はHTMLとjavascriptの実装が必要となるため簡単に設定できません。そのため本記事では、設定の自由度の高いGTMを使用したクリックイベントの設定方法を紹介します。

カスタムイベントについては以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

Google Tag Manager(GTM でクリックイベントを設定する

拡張計測機能で計測できないイベントは、カスタムイベントとして計測できるよう設定します。Google Tag Manager(GTM)では、1からイベントやパラメータを指定できるので、新しい独自のイベントを作成できます。

ここでは、ウェブサイトに設置された「button_click」というクラス属性を持つボタン(リンク)をユーザーがクリックした場合にイベントを計測できるように設定します。

GA4の測定ID(タグID)の準備

GTMで設定を行う前にGA4の管理画面から測定IDをコピーしておきます。

  1. サイドバーの「管理」を選択する
  2. プロパティ列の「データ ストリーム」を選択する
  3. クリックイベントを設定する「データ ストリーム」を選択する
  1. ストリーム詳細内の「測定ID」をコピーする
    ※測定IDは大文字の「G」から始まるものです。

次にGTMで「タグ」「変数」「トリガー」の設定を行います。

変数の設定

GTMには事前に用意された「組み込み変数」というものがあります。
この変数を使うとぺージのURLやクリックされた要素の持つ情報を取得できます。

今回は「button_click」というクラス属性を持つボタンのクリックを計測したいので、クラス属性を取得する変数を設定します。

  1. サイドバーの「変数」を選択する
  2. 組み込み変数内の「設定」を選択する
  1. クリック」カテゴリの「Click Classes」にチェックを入れ、設定画面を閉じる
    ※すでにチェックが入っている場合は操作は不要です。

クラス属性以外にもクリックした要素のID属性やテキストを取得する変数も設定可能です。
組み込み変数で計測出来ない情報を設定したい場合は、ユーザー定義変数を利用して変数設定を行います。

トリガーの作成

トリガーは計測をする条件のことです。今回は「button_click」というクラス属性を持つ要素(リンク)がクリックされた時に計測がされるように設定をします。

  1. トリガー」を選択する
  2. 新規」を選択する
  1. 任意の「トリガー名」を入力する ※ここでは「ボタン要素クリック」としました。
  2. トリガーの設定」を選択する
  1. リンクのみ」を選択する 
    ※対象のボタンやリンクがaタグ、areaタグでない場合は「すべての要素」を選択してください。
  1. 一部のリンククリック」にチェック
  2. 計測条件に「Click Classes」「等しい」「button_click」(該当のボタンのクラス名)を入力する
  3. 保存」を選択する

イベント タグの設定

最後にイベントを計測するタグの設定を行います。今回は先ほど設定した条件(トリガー)が発生した際にクリックイベントをGA4に送信するという内容で設定をします。

  1. サイドバーの「タグ」を選択する
  2. 新規」を選択する
  1. 任意の「タグ名」を入力する
    ※ここでは「ボタンクリック」としました。
  2. タグの設定」を選択する
  1. おすすめのカテゴリにある「Googleアナリティクス」を選択する
  1. Googleアナリティクス:GA4イベント」を選択する
  1. 測定ID」にGA4のデータストリームからコピーした測定IDを入力する
  2. イベント名」に任意のイベント名を入力する
    ※ここでは「btn_click」としました。
  3. トリガーをクリックし、先ほど作成した「ボタン要素クリック」のトリガーを選択する
  4. 保存」を選択する

以上でGTMの設定は完了です。
次に設定を公開する前にプレビュー機能で設定が正しいか確認をしていきましょう。

GTMのプレビューで設定を確認する

GTMでタグを作成した場合は公開前にプレビューから確認しましょう。
ここでは先ほど作成したクリックイベントが発生しているかを確認します。

  1. 画面右上の「プレビュー」を選択すると別タブでTag Assistantの画面が開きます。
  1. Tag Assistantの画面で設定したイベントが発生するページのURLを入力する
  2. Connect」を選択すると入力したURLがデバッグモードで別タブで開きます。
  3. Tag Assistantの画面に戻り「Continue」を選択します。その後デバッグモードで開いているURLで設定したイベントが発生する動作を行う(ボタンクリック、リンククリック等)
  1. 動作を行った後にTag Assistantの画面に戻り、「Tags Fired」に作成したイベントが表示されているか確認する。作成したイベントが「Tags Not Fired」の方に表示されている場合はGTMのタグ・変数・トリガーの設定が正しいか再度確認しましょう。

GTMの設定をwebサイトに反映する

プレビューで設定に問題ないことが確認出来たら、GTMの設定を実際のwebサイトに反映するために「公開」を行います。

  1. 画面右上の「公開」をクリックする
  1. 任意の「バージョン名」を入力する。
  2. バージョンの説明」に今回変更した内容を記述する。
    ※公開後にどのような変更を加えたのかを確認できるようになるべく詳細に記入する。
  3. 右上の「公開」をクリックする

以上でGTMでの作業は終了となります。次に設定したイベントがGoogleアナリティクスで計測されているかを確認しましょう。

GA4でクリックイベントを確認する方法

リアルタイムレポートでクリックイベントを確認する

GTMの設定を公開したら、次にGA4のリアルタイムレポートからイベントデータが計測されているか確認しましょう。
リアルタイムレポートは、過去30分間に発生したユーザーの行動をリアルタイムで確認できます。

  1. サイドバーの「レポート」を選択する
  2. リアルタイム」を選択する
  3. イベント数」のレポートに設定したイベントが表示されているか確認する

設定したイベントが発生すると、イベント数のレポートにイベント名と発生したイベントの数が表示されます。実際のサイトを操作しながら設定したイベントが計測されているかどうか確認しましょう。

設定したイベントがリアルタイムレポートに表示されない時は

GTMのプレビューでイベントタグが発火しているにもかかわらず、GAで該当のイベントが計測されていない場合は以下の2点を確認してみてください。

  • GAの設定で自身のアクセスが除外されていないか(社内アクセスの除外など)
  • ブラウザの拡張機能等でGAにデータを送らないように設定していないか

上記の設定があるとGA側にイベントのデータが送信されないため、計測のテストをする際は設定を変更する必要があります。

探索レポートでクリックイベントを確認する

計測しているクリックイベントを任意の条件で確認する場合は探索レポートを使います。

ここでは拡張計測機能で計測可能な「離脱クリック」の回数、クリックの発生したページ、リンク先のURLを表示するレポートを作成します。表示するデータを変更する場合は後述のディメンション、フィルタの設定を変更してください。

探索レポートの基本的な使い方は他の記事やオンラインセミナーでもご紹介しておりますので、初めて探索レポートを使われる方はこちらもご覧ください。

GA4の「探索レポート」の使い方を学ぶ!初心者向けアクセス解析セミナー
  1. Googleアナリティクスにアクセス後、左のメニューの「探索」を選択する
  2. データ探索の「空白」を選択する

  1. データ探索名」に任意の名前を入力する
  2. データを取得したい期間を指定する
    ※データ探索ではデータの保持期間がデフォルトで2か月になっています。データ保持期間の変更方法については下記記事を参照ください。(GA4のデータ保持期間の変更方法)
  3. ディメンションの「+」をクリックし、「イベント名」「ページパスとスクリーンクラス」「リンク先URL」の3つのディメンションを選択し、インポートする
  4. 指標の「+」をクリックし、「イベント数」の指標を選択し、インポートする
  1. 設定の下部にある「」の項目をクリックし、「イベント数」を選択する。値を選択することで右側のエリアにサイト全体のイベント数が表示されます。
  1. 設定の「」の項目をクリックし、「イベント名」を選択します。行にイベント名を追加したことで、各イベントごとのイベント数が右側のエリアに表示されます。
  1. 設定の下部にある「フィルタ」をクリックし、ディメンションの「イベント名」を選択し、マッチタイプを「次と完全一致」、式を入力に「click」と入力します。「適用」をクリックすると今回取得したい「離脱クリック(GA上のイベント名の表記はclick)」のデータに絞り込むことができます。離脱クリック以外のイベントを確認したいときは「式を入力」の内容を該当のイベントに変更してください。
  1. 再び設定の「」の項目をクリックし、「ページパスとスクリーンクラス」を行に追加します。「ページパスとスクリーンクラス」を追加することで、離脱クリックがどのページで発生しているのかを確認することができるようになりました。
  1. さらに「」の項目に「リンク先URL」を追加します。「リンク先URL」を追加することで、どのページの、どのリンクが、何回クリックされているのかを表示することができます。(行の項目が多くなるとデータが見づらくなるため、便宜上画像では「イベント名」を行から削除しています。)
  2. デフォルトでは表示する行数が「10」になっているため、それ以上のデータを表示するには「表示する行数」で行数を変更しましょう。

以上のステップで「離脱クリック」の回数、クリックの発生したページ、リンク先のURLを確認することができます。

クリックイベントをコンバージョン(CV)として設定する方法

イベントをコンバージョンとして設定することで、申し込みなどの成果にどの程度影響しているかを調べることができます。

ここではイベントをコンバージョンとして設定する方法を確認してみましょう。

  1. サイドバーの「管理」を選択する
  2. プロパティ列の「イベント」を選択する
  3. 該当のイベントの「コンバージョンとしてマークを付ける」にチェックを入れる

これでイベントをCVとして設定することができます。チェックを外すだけでCVの設定を解除することができます。また、CVに設定しているイベントの変更を行うとCVのチェックが外れるので再度設定が必要になります。

まとめ

本記事では、クリックイベントの計測について深堀して紹介してきました。以前のユニバーサルアナリティクスと比較して離脱クリックやファイルダウンロードのクリックは格段に計測しやすくなりましたね。クリックイベントはユーザーの行動を分析する際にとても重要な情報です。是非、初期段階で設定しておきたい機能ですね。

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