Googleアナリティクスのコンバージョンを活用できていますか?
ここでは、Googleアナリティクスでのコンバージョンの見方や設定方法、コンバージョンを可視化して確認できるツールをご紹介します。
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Googleアナリティクスのコンバージョンとは
コンバージョン(CV)とは、商品の購入やお問い合わせの完了など、Webサイトには必ず存在する、目標となるユーザーの行動のことを指します。
目標となる行動を予め登録しておくことで、Webサイトを訪れる数多のユーザーからその行動を取ったユーザーだけを抽出して分析できるのが、Googleアナリティクスの「コンバージョン」レポートです。
最適なコンバージョン設定はサイトごとに異なる
Webサイトがうまく機能しているかを判断するためにコンバージョンの設定は欠かせません。しかし、必要なコンバージョンはサイトやビジネスによって異なるため、ビジネスを適切に評価できるコンバージョンをサイト個別に設計していく必要があります。
シンメトリックが開催している「GA4の探索レポートの使い方を学ぶ!初心者向けアクセス解析セミナー」ではビジネスの評価をするために必要なコンバージョン設計の考え方やGA4を使って自社のデジタルマーケティングの効果測定を行う方法を解説します。

Googleアナリティクスでのコンバージョンの見方
本記事ではユニバーサルアナリティクス(UA)での確認方法を紹介しています。Googleアナリティクス4(GA4)でのコンバージョンの確認方法・設定方法については下記記事を参照ください。
コンバージョン数・コンバージョン率を確認する
まずは、コンバージョン数とコンバージョン率を確認してみましょう。Googleアナリティクスにログインし、以下の操作を行います。
- [ コンバージョン ]をクリック
- [ 目標 ]をクリック
- [ 概要 ]をクリック

デフォルトでは設定された全てのコンバージョンの合計値が表示されています。「目標のオプション」という項目から、個別のコンバージョンを選択することができます。
また、コンバージョンに寄与した流入元を確認することも重要です。コンバージョンが広告から発生したのか、検索フォームからの流入から発生したのかを分析することで、次の集客施策に繋げられます。
コンバージョンに寄与した流入チャネルを確認するには、以下の操作を行います。
- [ 参照元/メディア ]をクリック

この画像では、googleの検索フォームからの流入が最も多くのコンバージョンを獲得していることが分かります。
コンバージョンに至るまでのページ遷移を確認する
コンバージョンの分析では、コンバージョンの前に閲覧されていたページが重要です。何故なら、コンバージョンの前に多く見られているページはユーザーへの訴求に成功している優れたページと言えるからです。
Googleアナリティクスでは次のようにして、コンバージョンに至るまでのページ遷移を3ページ前まで確認できます。
- [ 目標パスの解析 ]をクリック

EFOに最適な「目標達成プロセス」レポート
EFO(エントリーフォーム最適化)には、「目標達成プロセス」レポートがおすすめです。
- [ 目標達成プロセス ]をクリック

このレポートでは、エントリーフォームの各ステップでのユーザーの離脱を確認できます。ボトルネックとなっているステップを確認して改善しましょう。
「目標達成プロセス」レポートを利用するには、コンバージョンの設定の際に、「目標達成プロセス」の登録が必要です。
マルチチャネルレポートでコンバージョン経路を確認する
サイトを初めて見たユーザーがそのままコンバージョンに至ることは多くありません。多くのユーザーは、何度かサイトを見て吟味した後にコンバージョンに至ります。
しかし、これまで紹介してきたレポートは、コンバージョンに至ったセッションの情報しか見ることができません。
そのセッションではコンバージョンに至らなかったものの、その後のコンバージョンに貢献したセッションの情報を確認できるのが、「マルチチャネルレポート」です。
「アシストコンバージョン」レポートでは、それぞれのチャネルのコンバージョンへの貢献を確認することができます。
- [ マルチチャネル ]をクリック
- [ アシスト コンバージョン ]をクリック

また「コンバージョン経路」レポートでは、コンバージョンに至るまでの各セッションの流入チャネルを確認することができます。
- [ コンバージョン経路 ]をクリック

例えば、図の赤枠の例では、最初のセッションではオーガニック検索で流入してきたユーザーが、次のセッションではノーリファラーで流入し、コンバージョンに至ったことが分かります。
Googleアナリティクスのコンバージョン設定方法
本記事ではユニバーサルアナリティクス(UA)の設定方法を紹介しています。Googleアナリティクス4(GA4)のコンバージョンの設定方法については下記記事を参照ください。
Googleアナリティクスのコンバージョンの種類
それでは実際にコンバージョンを設定してみましょう。コンバージョンの種類は、5種類あります。
種類 | 概要 |
---|---|
到達ページ | ユーザーが特定のページの閲覧がコンバージョンとなります。お問い合わせや商品購入の完了ページを設定します。 |
滞在時間 | ユーザーがサイトに一定の時間留まった場合にコンバージョンとなります。 |
ページビュー数 / スクリーンビュー数(セッションあたり) | 一回のセッションでのPVが一定値を超えるとコンバージョンとなります。 |
イベント | ファイルのダウンロードや電話でのお問い合わせをコンバージョンとして計測することができます。 |
スマートゴール | Google広告と連携し、コンバージョンに繋がる可能性の高いセッションを機械学習によって判定し、計測することができます。 |
「滞在時間」と「ページビュー数 / スクリーンビュー数(セッションあたり)」は高度な分析に用いる設定なので、「到達ページ」と「イベント」が設定できれば問題ありません。
「到達ページ」でのコンバージョン設定方法
到達ページでコンバージョンを設定するには、以下の操作を行います。
- 管理アイコンをクリック
- [ 目標 ]をクリック
- [ 新しい目標 ]をクリック

※「新しい目標」が表示されない場合、Googleアナリティクスの権限が足りていないので、管理者に問い合わせて下さい。
- [ カスタム ]を選択
- [続行]をクリック

- コンバージョン名を入力
- [ 到達ページ ]にチェック
- [ 続行 ]をクリック

- URLの一致条件を選択
- 到達ページに指定するURLを入力
- [ 保存 ]をクリック
「到達ページ」の欄にはGAで「ページパス」として計測されているURLを入力する必要があります。フィルタによってページパスを書き換えている場合や、ビュー設定で「インデックスのページ」を使用している場合には注意が必要です。
目標達成プロセスを設定する
「到達ページ」のコンバージョンでは、同時に「目標達成プロセス」を設定できます。フォームの入力画面や、ECサイトのカートでの離脱を分析することができます。
- 目標達成プロセスを[ オン ]にする
- コンバージョン前のページをユーザーが経由する順番に入力する
- ステップ1のページを必須にする場合、[ はい ]を選択

「必須」を選択すると、ステップ1のページを見たユーザーのみが「目標達成プロセス」レポートに表示されるようになります。コンバージョン数には影響を与えません。
「ステップ」に登録するURLには、コンバージョンとなるページは含めないように気を付けましょう。
目標の値を設定する
「値」を設定すると、コンバージョンの金額を設定することができます。
- 値を[ オン ]にする
- 設定する金額を入力する

通貨の単位がドルになっている場合、ビューの設定で変更出来ます。
一見ECサイト以外使い道がない様に見える機能ですが、「目標の値」を設定してコンバージョンの価値を重み付けすることで、複数のコンバージョンがある場合でも、トータルで評価することができます。
金額が付けられないコンバージョンに対しても、代わりに評価値を設定してコンバージョンの重み付けを行うことが公式のドキュメントでも推奨されています。
目標に金額を割り当てるかどうかは任意ですが、この設定はコンバージョンの収益化と評価に役立つため、推奨されています。アナリティクスでは他の指標(広告費用対効果など)を算出するのにも目標値を使用します。目標値に金額を使用できない場合、一貫した基準値を使ってコンバージョンを計測、比較します。たとえば、値の低い目標に「1」、値の高い目標に「10」を割り当てます。
目標について – アナリティクス ヘルプ
外部サイトのコンバージョンを計測する
CMSやMAのツールを導入している場合、登録フォームが別ドメインのサイトになっている場合があります。Googleアナリティクスではドメインが変わるとセッションが切れてしまうため、フォーム画面にGoogleアナリティクスのタグを追加するのに加えてクロスドメイントラッキングの設定が必要になります。
クロスドメイントラッキングの設定後は、「到達ページ」で同様にコンバージョンを設定すればOKです。
「イベント」でのコンバージョン設定方法
「イベント」によってコンバージョンを設定すると、ファイルのダウンロード・メールの開封・電話によるお問い合わせといった、ページの閲覧以外のユーザーの行動をコンバージョンとして登録することができます。
- 新規作成画面から、[ イベント ]を選択
- [ 続行 ] をクリック

- イベント値を指定
- コンバージョンの値をイベントで送信する時は選択
- [ 保存 ]をクリック

「イベント」コンバージョンを設定するには、事前にJavaScriptやGoogleタグマネージャーを使ってイベントを設定しておきます。
その際にカテゴリ・アクション・ラベル・値を設定しておき、ここで指定することで計測する仕組みです。
また、前述のコンバージョンの値もイベントの値として送信することができます。静的に指定したい場合には「コンバージョンの目標値としてイベント値を使用」を[ いいえ ]にします。
イベントの設置方法については、次項で説明します。
ファイルのダウンロードや電話によるお問い合わせをコンバージョンとして計測する
ファイルのダウンロードをコンバージョンとして計測するためには、ファイルのダウンロードボタンに以下のonclickイベントをJavaScriptで設置し、Googleアナリティクスでコンバージョン設定を行います(gtag.jsの場合の例です)。
<a href="/download/example.pdf" onclick="gtag('event', 'click', {'event_category': 'whitepaper', 'event_label': 'paper1', 'value': '0'});"> 資料ダウンロード</a>
上記の例では「click」をイベントの「アクション」に、「whitepaper」を「カテゴリー」に、「paper1」をラベルに、「0」を値に設定しています。イベントコンバージョンで、これらの値を指定すればコンバージョンとして計測することができます。Googleタグマネージャー導入済みであればJavaScriptを使用せずに設置することもできます。
厳密ではありませんが、電話によるお問い合わせをコンバージョンとして計測することができます。
「href=”tel:”」が指定されている電話番号のリンクに以下のonclickイベントをJavaScriptで設置し、Googleアナリティクスでコンバージョン設定を行います。こちらも、同様にGoogleタグマネージャーでも設定できます。
<a href="tel:0300000000" onclick="gtag('event', 'click', {'event_category': 'tel', 'value': '0'});">0300000000</a>
コンバージョンの反映状況を確認する
コンバージョンを設定したら、必ず反映状況を確認しましょう。可能であれば、自らアクセスしてコンバージョンを発生させ、「リアルタイム」レポートの「コンバージョン」の項目で確認することをお勧めします。
- [ リアルタイム ]をクリック
- [ コンバージョン ]をクリック

コンバージョンが発生すると即時に「リアルタイム」レポートに反映されるので、コンバージョンのテストができます。
コンバージョン数が合わない? Google広告との誤差について
Google広告とGoogleアナリティクスを連携させてコンバージョンの計測を行っていると、同じ目標を設定していてもGoogle広告とGoogleアナリティクスでのコンバージョンの数値が合わないケースが発生します。
理由はGoogle広告とGoogleアナリティクスでのコンバージョンの定義の違いにあります。
Googleアナリティクスにおけるコンバージョンは1セッションにつき1回なので、例えば同一セッション内で二回購入行動があった場合でも、コンバージョン数は「1」と記録されます。一方で、Google広告ではセッションという概念がないため、同一セッション内で二回購入行動があった場合にはコンバージョン数は「2」と記録されるのです。
また、広告から流入したユーザーが一度離脱し、検索等の別チャネルから流入してコンバージョンに達した場合にデータの誤差が生じます。Google広告では、広告からの流入によるコンバージョンであると記録されますが、Googleアナリティクスでは、コンバージョンしたセッションの流入チャネルがコンバージョンと記録されるためです。
コンバージョンが上手く計測されない場合のチェックポイント
コンバージョンの設定は煩雑なので、うまく計測できないケースが多々発生します。コンバージョンが計測できない場合は次の点をチェックしてみてください。
「到達ページ」に設定したURLが間違っている
「到達ページ」に設定したURLが間違っていないか、もう一度確認しましょう。Googleアナリティクスで計測されているページパスで記述する必要があります。計測されているページパスについては、「行動」レポートの「サイト コンテンツ」の項目で確認することができます。
ビューフィルタでページパスを書き換えている場合や、ビューの設定で「デフォルトのページ」を設定している場合には特に注意が必要です。
- [ 行動 ]をクリック
- [ サイト コンテンツ ]をクリック
- [ すべてのページ ]をクリック

「到達ページ」で指定したURLの一致条件が不適切
動的にパラメータが付与されるページの場合、URLの一致条件は「等しい」ではなく、「先頭一致」や「正規表現」を選択する必要があります。
URLの一致条件を「先頭一致」にした場合、意図しないページが含まれていないか確認しましょう。
イベントが送信されていない
JavaScriptの記述ミスやGoogleタグマネージャーの設定ミスによってイベントが送信されていないケースも多いです。Googleアナリティクスではイベント自体の確認もできるので、イベントが送信されているか確認しましょう。
- [ 行動 ]をクリック
- [ イベント ]をクリック
- [ 概要 ]をクリック

イベントの変数が間違っている
イベントが送信されていても、変数が間違っている場合があります。開発者向けの内容になりますが、イベントの変数を確認する方法を紹介します。「Google Analytics Debugger」というGoogle Chromeの拡張機能を使用します。
- 「Google Analytics Debugger」をダウンロード
- 「Google Analytics Debugger」を有効にする
- 確認したいイベントの発生するページを開く
- 「F12」キーを押して、デベロッパーツールを開く
- [ Console ]を選択
- イベントを発火させる
- コンソールに表示される「eventAction」「eventCategory」「eventLabel」「eventValue」「hitType」等の値を確認する

コンソールに何も表示されない場合は、イベントが送信されていない可能性が高いです。
アナトミーでコンバージョンを確認する方法
Webサイト分析ツール「アナトミー」でも、サイト全体のコンバージョンはもちろん、各ページのコンバージョンも簡単に確認することができます。
サイト全体のコンバージョンを確認する
アナトミーの無料ダッシュボードではサイト全体・特定ディレクトリのアクセスデータの推移を確認することができます。

上記の例には、CVに設定した「予約」「会員登録」「お問合せ」の3つのイベントの過去6ヶ月の推移が表示されています。表示するイベントは変更可能で、任意のCVの推移を他のデータと並べて確認することができます。
各ページのコンバージョン数を確認する
アナトミーのタイルビューでは、1ページを1つのタイルで表現しており、指定したコンバージョンがどのページでどれだけ発生しているかを確認することができます。

緑色のタイル上の数字が「予約」のコンバージョンが発生した数で、青色のタイルがコンバージョンが発生したセッションの流入元とその内訳を表しています。上記の例だと「Organic Search」からのコンバージョン数が53、「Direct」からのコンバージョン数が27である事が分かります。
- 関連ツール:各ページのCV数を簡単に確認する【アナトミー】
まとめ
コンバージョンを設定することで、ユーザーの行動をご自身のWebサイトの目的に即して計測することができます。
サイトに設定すべきコンバージョンの内容やGA4のデータ探索を使った分析の方法を解説したセミナーを開催しておりますので、どんなコンバージョンを設定するべきか分からないとお悩みの方はぜひご参加ください。
