GA4のコンバージョン設定方法 | 計測されない場合のポイントも合わせて解説

GA4(Google アナリティクス 4)のコンバージョンとは、問い合わせフォームの獲得や資料ダウンロードボタンのクリック、Webサイトの目標となるユーザーの行動を指します。当記事では、GA4 におけるコンバージョンの設定方法コンバージョンが計測されない場合の対処法を解説します。

目次

GA4のコンバージョンとは?

Webサイトを運用する企業にとって、コンバージョンの計測結果は非常に重要なデータです。この章では、コンバージョンについて解説します。

コンバーションとは

コンバージョン(CV)とは、Webサイトにおいて、運営側が目標とする行動を顧客がとってくれた状態を指します。具体的な例として、サイトでの商品購入や試供品の申し込み、問い合わせなどの行動が挙げられます。これらは、特定のページへの遷移やボタンのクリック、ページのスクロールなど、ユーザーの行動を計測することで数値化することができます。

実績・課題点を分析できる

サイトの目標を設定することで、目標に対する実績や課題点を分析できます。目標に対して低い数値が出ている場合は、原因の追及と対策を行い、目標を大きく上回る結果が出ていれば、その理由を導き出して更なる成果を目指すことができます。

ユニバーサルアナリティクスのコンバージョンとの違い

GA4が登場するまでは、サイト分析ツールとして、Googleからはユニバーサルアナリティクス(UA)というツールが提供されており、広く活用されていました。しかし、UAのサービスは2023年の7月1日をもって新しい計測(ヒットの処理)は終了すると公式発表が行われたため、GA4への早急な移行が必要とされています。この章では、UAとGA4のコンバージョンにおける違いについて解説します。

コンバージョン設定方法の違い

UAとGA4では、コンバージョンの設定方法が異なります。
UAでは、事前に用意されている5つのタイプから選択してコンバージョンを設定します。
コンバージョンとして設定できる項目は、以下の通りです。

  • 到達ページ
  • 滞在時間
  • ページビュー数/スクリーンビュー数(セッションあたり)
  • イベント
  • スマートゴール


一方で、GA4ではサイト内での顧客の行動をイベントとして計測し、計測したイベントをコンバージョンとして計測する方法に統一されています。イベントとして設定できる行動の幅は広く、コンバージョンの計測範囲も広がっています。GA4とUAの2つを比べると、サイト内での行動を細かく指定できるGA4の方が、より細かくコンバーションを設定可能と言えるでしょう。

UAについて詳しく知りたい方は、以下のリンクからご参照ください。

コンバージョンのカウント方法の違い

UAとGA4では、コンバージョンのカウント方法も異なります。UAでは、設定した目標に対してアクセスがあった場合、セッション1回につき1件のみがコンバージョンとして集計されていました。もし、同じユーザーが同じセッション中に2回フォームを送信した場合、集計されるコンバージョン数は1です。GA4では、同じセッションにおいてコンバージョンイベントが2回以上計測された場合、そのすべてが集計されます。例えば、ユーザーが同じセッションでフォームを3回送信した場合、コンバージョンは3件として数えられます。

参考「Google:[UA→GA4] 指標の比較: Google アナリティクス 4 とユニバーサル アナリティクス

コンバージョン設定の上限数の違い

UAとGA4では、設定できるコンバージョンの上限数にも違いがあります。UAでは設定できるコンバージョンの上限数はプロパティ1つにつき20個でした。一方、GA4では、 プロパティ1つにつき 30個のコンバージョンを設定することができます。
GA4では設定できるコンバージョンの数が増えていますが、依然として上限は存在するため、事前に計測すべきコンバージョンを洗い出し、何を計測するか設計しておく必要があるでしょう。

GA4のコンバージョン設定方法

GA4のコンバージョン設定方法は、GA4の設定画面から作成する方法と、GTM(Googleタグマネージャー)を活用する方法の2種類が用意されています。この章では、それぞれの設定方法について解説します。

カスタムイベントを作成する

2種類の方法で共通する設定として、まず、カスタムイベントを新規で作成します。
GA4では、デフォルトで計測されるイベントもあるため、デフォルトで設定されているイベントをコンバージョンに設定する場合はこの手順は必要ありません。
以下は、デフォルトで測定されているイベントの一例です。

  • click:別のドメインへ移動するクリックを測定
  • first_visit:ユーザーの初アクセスを測定
  • form_start/form_submit:ユーザーのフォームへのアクセス・送信を測定

このほかにも、デフォルトではいくつかの項目が設定されていますが、それ以外の多くの項目に関しては、自身で設定が必要になります。

GTMを使用した方法

GTMを使用した作成方法は以下の通りです。
まずはGA4でデータストリームを作成し、測定IDを確認します。

データストリームの項目を開いた後は、測定したいサイトのデータストリームを開き、下記の位置にある測定IDを記録しておきましょう。

次に、GTM側での操作に移行します。
GTMに入ってからの操作は左側メニュー「タグ」から行います。

GTM側で行う操作は以下の通りです。

GTMのタグ設定画面から「タグの設定」を選択した後、「Googleアナリティクス:GA4イベント」を選択します。

任意のイベント名を入力し、設定タグの項目では「なし-手動設定したID」を選択してください。その後、測定IDという項目が出現するため、測定IDの欄には、GA4で作成したデータストリームの測定IDを入力します。

「トリガーの選択」から割り当てるトリガーを設定し、保存して完了です。新しくトリガーを追加したい場合は右上の「+」をクリックします。

これまでもUAを使用していた企業は、一括管理と変更が簡単なため、この方法での追加がおすすめです。

GTMを使用しない方法

GTMを使用せず、GA4のみで計測するときの設定方法を解説します。

設定画面、左下の歯車アイコン「管理」をクリックします。
遷移した画面のメニューから「イベント」を選択します。

「イベントを作成」を選択します。

イベント名とその条件を入力します。入力ができたら、「作成」ボタンをクリックして完了です。

カスタムイベント名

一覧で見たときに何のイベントが計測されているのか分かりやすい名前を入力します。名前に困った場合には、空欄になっている「カスタム イベント名」の欄をクリックすると名前の候補が出現するため、その中から選ぶとよいでしょう。

パラメータ、演算子、値

パラメータには、測定したい項目を入力します。画像にある「page_location」であれば、値として設定したドメインにアクセスしたときに、どのページを見ていたかの情報が取得できます。

カスタムイベントをコンバージョンに登録する

GTMやGA4の設定画面からイベント作成が完了した後は、それらのイベントをコンバージョンとして登録します。設定画面の「イベント」を選択し、「コンバージョンとしてマークを付ける」を青色に変更しましょう。GA4では、35のコンバージョンを設定できます。サイトの内容や、計測したい数値に合わせて、オン・オフを選びましょう。

カスタムイベントの設定方法

スクロールを コンバージョンに設定したい場合

スクロールはGA4のデフォルトのイベントでも計測されていますが、ユーザーが画面の90%まで表示したかどうかしか計測できません。10%刻みなど、細かくスクロール距離を指定してコンバージョンを計測したい場合は、GTMでのイベント計測設定が必要になります。設定方法は以下の通りです。

GTMのサイドバーから「トリガー」をクリックし、「新規」をクリックします。

トリガーのタイプは「スクロール距離」を選択します。

「縦方向スクロール距離」にチェックを入れます。「割合」にはページの最上部(0%)から最下部(100%)までのスクロール割合を指定します。今回は10%ごとに計測できるよう「10,20,30,40,50,60,70,80,90」と入力しました。これでトリガーの完成です。

設定後は、プレビューモードやデバッグ機能を利用して、設定したイベントがきちんと動作しているかを確認しておきましょう。
プレビューモードへは、GTMでワークスペースの画面右上に表示される「プレビュー」の項目からアクセスできます。
表示されるウィンドウにURLを入力後、GTMのデバッグ画面と、測定対象のページが表示されます。
測定対象のページでタグが発火する行動を起こしたとき、デバッグ画面で「Tag Fired」の欄に、目的のタグが入っていれば動作確認は完了です。

問い合わせ完了ページへの遷移をコンバージョンに設定したい場合

ページへのアクセスをイベントとして登録すると、ページを閲覧するだけでコンバージョンにカウントされます。
問い合わせ完了画面(サンクスページ)が表示されたときにカウントするように設定したい場合、次の手順が必要です。

GA4のメニューの「イベント」を選択し、「イベントを作成」をクリックします。

カスタムイベント名と一致する条件を設定します。

一致する条件の「値」には計測したいページのURLをドメイン名を除いて入力します。「パラメータ」には「page_location」を入力します。演算子には「次の値を含む」を選択します。測定したいページのURL構造にマッチするよう適切なものを選択する必要があります。

イベントを作成した後、管理画面からコンバージョンの設定をオンにすれば、完了です。

コンバージョンイベント設定の削除方法

過去に自分が作成したイベントを削除したい場合、管理画面から設定が可能です。

GA4の管理画面にある「イベント」の「イベント作成」を選択します。

イベント一覧から、削除したいイベントを見つけ、右にある「>」をクリックします。

右上にある点が3つのアイコンをクリックし、削除を選択します。

これでイベントの削除は完了です。イベント自体を削除せずに、コンバージョンから除外したいときは、コンバージョンの一覧から設定をオフにするだけで分析されなくなります。

コンバージョンを確認する方法

設定が完了した後、コンバージョンを確認する方法について解説します。
確認する方法は主に2つです。

「リアルタイム」レポートから確認する

GA4の設定画面右側にある「レポート」マークを選択します。「リアルタイム」を選択すると、現在稼働しているコンバージョンが確認できます。リアルタイムからコンバージョンを確認することで、過去 30 分間のユーザー数(分単位)やユーザーの流入経路、発生しているイベント内容を観測可能です。コンバージョン設定後の計測確認に有用なため、新規作成した後は、リアルタイムレポートを確認しましょう。

「エンゲージメント」レポートから確認する

もう一つの確認方法は、「エンゲージメント」レポートから閲覧する方法です。
GA4設定画面のレポートを選択し、「エンゲージメント」から「コンバージョン」をクリックします。
すると、設定しているコンバージョンが一覧で表示され、顧客のイベント発生数や経路を確認できる仕組みです。
また、エンゲージメントの「ページとスクリーン」を選択すると、コンバージョンが発生したページ・その回数を確認できます。

コンバージョンが計測されない場合の確認ポイント

「イベントを設定したはずなのに、コンバージョンが計測されていない。」というような事態に陥ったとき、確認しておきたいポイントを紹介します。いくつかのチェックポイントを確認することで、設定や操作に不備が見つかる可能性もあります。

GA4がページに入っているか確認する

GA4タグが正常に設定できていない場合は、コンバージョンも計測されません。Google Chromeのアドオン「Googleタグアシスタント」をインストールするとGA4タグが入っているか確認することができます。

まず、Googleタグアシスタントをインストールします。

次に、タグを確認したいサイト上で「Enable」と「Record」をクリックします。最後にタグを確認しましょう。

タグの色によって、正常に作動しているかどうか、判断できます。緑色はタグに問題がないことを示しています。青色は軽度の設定エラーや警告があることを表します。黄色や赤色の場合は設定に問題がないか見直しが必要です。

イベントが計測されているか確認する

GA4内で、イベントの設定ができているかどうかを確認します。イベントの設定に問題がなく、イベントの計測がされている場合は、イベントがコンバージョンとして登録できていない可能性があります。
また、イベントが計測されていなければイベントの設定方法に誤りがあります。

  • イベントは計測されているが、コンバーション表示されない:コンバージョンのオン・オフ設定がオフになっている
  • イベントが計測されていない:パラメータや演算子の内容に誤りがある。誤字がある

これらのポイントを確認しましょう。

時間を置いてみる

コンバージョン設定の反映には時間のかかる場合があります。早いときは数分から数時間で、反映されます。しかし、長いと2日程度の日数がかかるときもあるため、すぐには判断できません。
コンバージョンを設定した後、2日ほどは待ちましょう。2日以上経ってもコンバージョンに反映されない場合は、前述したチェックポイントを確認してください。設定ができていない可能性や、コンバージョンがオフになっている可能性もあります。

まとめ

今回の記事では、GA4のコンバージョン設定方法を解説してきました。GA4では任意のカスタムイベントをコンバージョンに設定することができます。選択肢が多い分、初心者には何を設定すればいいか難しく感じるかもしれませんが、コンバージョン設定を有効に活用することができれば、ユーザーの分析やサイトの改善に役立つ情報が手に入るはずです。

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