GA4のカスタムディメンションとは?UAとの違いや設定方法を解説
- 2022.06.10
- Googleアナリティクス
GA4でカスタムディメンションを使うと、GA4の標準イベントにはない新しい項目を追加できます。サイト固有の指標を利用することで、高度な分析が可能になります。
この記事では、GA4のカスタムディメンションの概要と使い方を紹介します。
カスタムディメンションは管理者が設定できる項目
カスタムディメンションは、GA4プロパティの管理者が登録できる項目です。
GA4では、以下のイベントを自動的に収集しています。
- ページタイトル
- 動画の再生や終了
- リンククリック
- ファイルダウンロード
- ページのスクロール
- 参考記事:[GA4] 自動的に収集されるイベント
- 参考記事:[GA4] 測定機能の強化イベント
上記以外の項目をGA4で収集し、レポートで分析できるようにするには、カスタムディメンションを登録します。
GA4とUAの違い
UA(ユニバーサルアナリティクス)にも、カスタムディメンションがありますが、GA4とは少し内容が異なります。
カスタムディメンションの上限数
まず、カスタムディメンションに登録できる個数に違いがあります。
具体的には、GA4は合計75個、UAは合計20個まで使えます。
GA4 | UA | |
---|---|---|
1プロパティあたりの上限 | イベントスコープ:50個 ユーザースコープ:25個 | すべてのスコープ合計で20個 |
カスタムディメンションのスコープ
カスタムディメンションのスコープ(範囲)にも違いがあります。GA4は、ユーザースコープとイベントスコープに対応しています。一方、UAには存在していた「セッションスコープ」「商品スコープ」のカスタムディメンションには対応していません。
カスタムディメンションのスコープ | GA4 | UA |
---|---|---|
ユーザー | 〇 | 〇 |
セッション | × | 〇 |
イベント(ヒット) | 〇 | 〇 |
商品 | × | 〇 |
カスタムディメンションの削除
GA4では、不要になったカスタムディメンションをアーカイブ(削除)できます。UAのカスタムディメンションは削除できませんが、代わりに非アクティブ化できます。
GA4 | UA | |
---|---|---|
カスタムディメンションの削除 | 〇 | × |
カスタムディメンションの非アクティブ化 | × | 〇 |
カスタムディメンションの使い方と設定方法
カスタムディメンションを使うには、以下の手順で行います。
- カスタムディメンションをGA4に登録する
- トラッキングコードをパラメータを送信する
- GA4のレポートでカスタムディメンションを利用して分析する
カスタムディメンションをGA4に登録する
カスタムディメンションの登録は、GA4の設定画面で行います。
- [設定]-[カスタム定義]メニューを選択します。

- [カスタムディメンションを作成]ボタンをクリックします。

- ディメンション名(任意の名前。日本語可)と範囲(イベントスコープもしくはユーザースコープ)、説明(任意)、パラメータ名(トラッキングコードから送信されるパラメータ)を入力します。

- [保存]ボタンをクリックします。
以上で、カスタムディメンションが登録されました。
トラッキングコードでパラメータを送信する
Webページにトラッキングコードを設置し、パラメータを送信します。
イベントスコープで利用するパラメータの場合、イベントを送信するトラッキングコードを記述します。
<script>
gtag('event', '<イベント名>', {
'<パラメータ>': '<値>'
});
</script>
一度に複数のパラメータを送ることもできます。
<script>
gtag('event', '<イベント名>', {
'<パラメータ1>': '<値1>',
'<パラメータ2>': '<値2>',
'<パラメータ3>': '<値3>'
});
</script>
一方、ユーザースコープで利用するパラメータの場合、次のようなトラッキングコードを記述します。
<script>
gtag('set', 'user_properties', {
'<パラメータ>': '<値>'
});
</script>
カスタムディメンションの設定例
閲覧された記事のカテゴリ・執筆者・公開日:イベントスコープ
人気のあるブログ記事を分析するためにカスタムディメンションを利用します。
たとえば、閲覧された記事のカテゴリや執筆者・公開日をそれぞれカスタムディメンションに登録します。
ディメンション名 | スコープ | 説明 | パラメータ |
---|---|---|---|
post_category | イベント | 閲覧された記事のカテゴリ | category |
post_author | イベント | 閲覧された記事の執筆者 | author |
post_published_at | イベント | 閲覧された記事の公開日 | published_at |
会員種別:ユーザースコープ
一般会員とプレミアム会員のように、会員種別をカスタムディメンションとして利用する例です。
会員種別はユーザーレベルの情報なので、ユーザースコープのカスタムディメンションを登録します。
ディメンション名 | スコープ | 説明 | パラメータ |
---|---|---|---|
membership | ユーザー | 会員種別 | membership |
また、会員登録完了ページに、会員種別を送信するトラッキングコードを設置します。
例えば、membershipというパラメータを使う場合は、次のようなトラッキングコードになります。
// 一般会員の場合
gtag('set', 'user_properties', {
'membership': 'general'
});
// プレミアム会員の場合
gtag('set', 'user_properties', {
'membership': 'premium'
});
GTMの設定
トラッキングコードの代わりに、Googleタグマネージャー(GTM)でパラメータを送信することもできます。
記事閲覧イベントを例にして、設定方法を紹介します。
データレイヤーへの情報送信
まず、WebページにJavaScriptコードを記述し、記事閲覧イベントに必要な情報をデータレイヤーへ送信します。
キー event がイベント名を表します。
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
dataLayer.push({
'event': 'view_post',
'category': 'Search Console',
'author': 'YAMADA, Hanako',
'published_at': '2021-12-10'
});
</script>
トリガーの登録
次に、データレイヤーから送信されたイベントに反応するトリガーを登録します。
- メニューから[トリガー]を選択し、[新規]ボタンをクリックします。

- トリガー名は任意の名前、トリガータイプは「カスタムイベント」を選択、イベント名は view_post を入力します。

- [保存]ボタンをクリックします。
変数の登録
次に、データレイヤーに送信された情報のうち、GA4に送信する情報を変数として登録します。
- メニューから[変数]を選択し、ユーザー定義変数の[新規]ボタンをクリックします。

- 変数名は任意の名前、変数のタイプは「データレイヤーの変数」を選択、データレイヤーの変数名は category を入力します。

- [保存]ボタンをクリックします。
- 同様に、author(閲覧された記事の執筆者)、published_at(閲覧された記事の公開日)についても変数を登録します。
- [保存]ボタンをクリックします。
タグの登録
次に、GA4へイベントを送信するためのタグを登録します。
- メニューから[タグ]を選択し、[新規]ボタンをクリックします。

- タグ名は任意の名前、タグの種類は「Googleアナリティクス:GA4 イベント」、設定タグは「Googleアナリティクス:GA4 設定」のタグ、イベント名は view_postを入力します。

- イベントパラメータとして、パラメータ名を category、値を「閲覧された記事のカテゴリ」用に登録した変数を選択します。
- 同様に、author(閲覧された記事の執筆者)、published_at(閲覧された記事の公開日)についてもイベントパラメータを登録します。
- トリガーは記事閲覧用に登録したイベントを選択します。
- [保存]ボタンをクリックします。
カスタムディメンションの分析
カスタムディメンションは、データ探索でディメンションとして利用できます。
たとえば、「閲覧された記事のカテゴリ」を行や列にしてレポートを表示できます。

まとめ
以上、GA4のカスタムディメンションの概要と使い方を説明しました。
カスタムディメンションを登録すると、サイト固有の軸で分析ができるようになります。