スクロール率を計測することでユーザーがそのページのどこまで興味をもっていたのかを把握できます。
本記事では、Googleアナリティクス4（GA4）とGoogleタグマネージャー（GTM）での計測設定方法と探索レポートでの確認方法を解説します。
探索レポートの基本的な使い方については定期開催のオンラインセミナーでも解説しています。探索レポートの基本だけでなく、サイトのWebマーケティング施策の効果測定を行う方法まで解説します。これから本格的にGA4を使ったアクセス解析を始めようと考えている方は是非ご参加ください。
GA4のスクロール数とは
GA4のスクロール数とは、ユーザーが各ページの90％までスクロールしたときに計測されるイベントです。
スクロール率とは、ユーザーがページをスクロールした割合を表す指標です。つまりは「〇％スクロールした」というのがスクロール率です。
スクロール率を計測する方法
スクロール率を計測するにはGA4の「拡張計測機能」か「Googleタグマネージャー（GTM）」のどちらかを使用します。
- GA4の拡張計測機能・・・「測定機能の強化」をONにすることで簡単にイベントを計測できる。
- Googleタグマネージャー(GTM)・・・拡張計測機能で計測できないイベントを計測する際に、カスタムイベントを作成し独自のイベントとして計測できる。
GA4の拡張計測機能によるスクロール率の計測
拡張計測機能の概要
拡張計測機能は設定をONにするだけで、下記7種類のイベントを計測できます。
※ページビュー（PV）のみ切り替えができません。
| イベント名 | 概要 |
|---|---|
| ページビュー | ページが読み込まれると記録される。OFFにはできない。 |
| スクロール数 | ページの下部（ページの上から90％）までスクロールすると記録される。 |
| 離脱クリック | 別のドメイン(別のサイト)へのリンクをクリックすると記録される。 |
| サイト内検索 | サイト内検索をすると記録される。 |
| 動画エンゲージメント | 動画の再生開始、進捗(%)、再生終了が記録される。 |
| ファイルのダウンロード | pdf、zipなどの形式のファイルダウンロードをすると記録される。 |
| フォームの操作 | フォームの操作(同一セッションで1回まで)とフォームの送信をすると記録される。 |
引用元：[GA4] 拡張イベント計測機能
拡張計測機能の設定方法
GA4の拡張計測機能でスクロール率を設定する方法を解説します。
- GA4にログイン後、サイドバーの「管理」を選択
- データストリームを選択
- 任意のデータストリームを選択
- 拡張計測機能の設定を選択
- スクロール数の計測をONにする
Googleタグマネージャー（GTM）によるスクロール率の計測
拡張計測機能の「スクロールイベント」はページの90%までスクロールされないとイベントが発生しません。そのため、細かい単位でイベントを取得したい場合は、カスタムイベントを作成し計測します。
GTM導入のメリットと導入方法については下記記事で解説しておりますので、まだGTMを導入されていない方はまずはこちらの記事をご覧ください。
GA4の測定ID(タグID)の準備
GTMで設定を行う前にGA4の管理画面から測定IDをコピーしておきます。
アナリティクス > 管理 > データストリーム > 任意のURL > 設定ID
タグ設定
まず始めにGA4タグをページに追加する設定から行います。既にある場合は変数の設定からで問題ありません。
- GTMに移動した後、計測設定したいサイトを選択
※ここでは「RIDEAWAY」というサイトを選択しました。
- タグ > 新規
- タグの名前を記載（任意）
※ここでは「RIDEAWAYGA4タグ」としました。 - タグ設定を選択
- Googleアナリティクス:GA4設定を選択
- GA4からコピーした測定IDを張り付ける
- トリガー > All Pages
- 保存
変数設定
変数を設定することで、組み込み変数の「Scroll Depth Threshold」 を参照できるようになります。
※「Scroll Depth Threshold」とは、スクロール距離を示す数値です。単位が%の場合、0~100の数値が閾値(しきいち)となり、単位がピクセル(px)の場合、ピクセル数そのものが閾値となります。
- 変数 > 設定
- Scroll Depth Thresholdをチェック
トリガー設定
トリガーを設定することで、任意の割合で計測をできるようになります。
- トリガー > 新規
- トリガー名を記載（任意）
- トリガー設定を選択
- スクロール距離を選択
- 縦方向スクロール距離をチェック
- 割合 > テキストボックスに測定したい割合を入力
- 保存
タグ設定
- タグ > 新規
- タグ名を記載
- タグ設定
- Googleアナリティクス：GA4イベント
- 設定タグに先程作成したタグを選択
- イベント名に任意の名前を記載
※ここでは「percent_scroll」とした。
- イベントパラメータ > 行を追加
- パラメータ名に「percent_scrolled」を入力
- 値赤枠のアイコンから「Scroll Depth Threshold」
- トリガー > スクロール数
- 保存
公開の手順
GTＭタグの公開を行うことでデータの収集を行うようになります。
公開する際は、バージョン名と説明を記載しておくと次に操作する時に前回なにをしたかわかりやすくなります。
- 公開
- バージョン名と説明を記載
- 公開
GTM計測での注意点
GTMでスクロール率を計測する際にはGA4の拡張機能でのスクロール数をOFFにすることは必須ではありませんが、計測可能なイベント数には上限があるため訪問者数の多いサイトではイベント数が増え、データのサンプリングが発生する可能性があります。その場合は、 GA4の拡張機能でのスクロール数をOFFにしてみてください。
スクロール率を探索機能で確認する方法
GA4で細かい計測データを確認するには探索機能を利用します。
探索レポートの基本的な使い方については定期開催のオンラインセミナーでも解説しています。探索レポートの基本だけでなく、サイトのWebマーケティング施策の効果測定を行う方法まで解説します。これから本格的にGA4を使ったアクセス解析を始めようと考えている方は是非ご参加ください。
カスタム定義の設定
探索レポートでスクロール率を確認するためにはGA4上でカスタム定義を設定する必要があります。
- 管理 > カスタム定義 > カスタムディメンション作成
- ディメンション名
※ここではスクロール率としました。 - イベントパラメータをpercent_scrolledに設定
- 保存
ページタイトル別に確認する方法
- 探索 > 空白
- ディメンションの「＋」マーク
- ページ/スクリーン > ページタイトルにチェック
- カスタム > スクロール率 にチェック
- インポート
- 指標の「＋」マーク
- イベント > イベント数にチェック
- インポート
- 行：ページタイトル
- 列：スクロール率
- 値：イベント数
デバイス別にスクロール率を確認する方法
スマートフォンやPC、タブレットなどユーザーが利用するデバイスカテゴリ毎にスクロール率を確認したい事があると思います。このセクションでは探索機能を使いデバイス別にスクロール率を確認する方法を解説します。
- ディメンションの「+」マーク
- デバイスカテゴリにチェック
- インポート
- 行：デバイスカテゴリ
特定のページのスクロール率をデバイス別で確認する方法
- 行：「ページタイトル」「デバイスカテゴリ」
- フィルタ：「ページタイトル」
- フィルタ設定は絞り込みたいページタイトルを入力
※ここではクロスバイク通勤のブログについて絞り込みをしています。
まとめ
以上、スクロール率の計測設定方法と確認方法について解説しました。
スクロール率を計測することでユーザーがそのサイトのどこまでに興味を持ったかを確認することができます。さらにGTMで細かくスクロールの割合をすることでよりデータ分析を行うことができます。
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