Google アナリティクス 4(GA4)のキーイベントは、問い合わせの獲得や資料ダウンロードボタンのクリックなどのWebサイトの重要なアクションを計測するイベントです。
本記事では、GA4 におけるキーイベントの設定方法やキーイベントが計測されない場合の対処法を解説します。
GA4のキーイベントとは
Webサイトを運用する企業にとって、キーイベントの計測結果は非常に重要なデータです。この章では、キーイベントについて解説します。
キーイベントについて
キーイベントは、Webサイトの最も重要なアクションを計測するイベントです。
2024年3月にGA4では、コンバージョンから「キーイベント」に名称変更しました。
- 関連ツール:CVに至るまでのデータを簡単に確認できる【アナトミー】
- 公式ヘルプ:[GA4] キーイベントについて
キーイベントとコンバージョンの違い
2024年10月現在、GA4にはキーイベントという指標があり、Google広告にはコンバージョンという指標があります。2024年3月までは、名称が同じだが計測方法が違うという問題があり、度々ユーザーに混乱を招いていましたが、今回、こちらの混乱を避けるためにGA4上ではコンバージョンからキーイベントに名称変更しました。
キーイベントに設定するイベントの例
キーイベントの例として、自転車のレンタルを運営するサイトがあり、そこでは「予約完了」というイベントが設定してあるとします。自転車をレンタルする上でユーザーが予約するかどうかはこのサイトにとっては重要なアクションです。そのため、このようなイベントはキーイベントとして設定します。
キーイベントはサイトによって異なるので、ご自身のサイトでどのイベントが重要か見極めた上でキーイベントを設定してください。
既存のイベントをキーイベントに設定する方法
既存のイベントをキーイベントに設定するには、管理画面から変更します。
- GA4にログイン後、サイドバー下部にある「管理」を選択する
- データ表示内の「イベント」を選択する
- イベントの一覧が表示されたら、「キーイベントとしてマークを付ける」
キーイベントに設定しても、レポートや探索の反映には最大で24時間がかかる場合があります。GA4のリアルタイムレポートでは過去30分のユーザーの計測データを確認できます。リアルタイムレポートでキーイベントに設定されたか確認しておきましょう。
もし、キーイベントに設定したいイベントがない場合は独自のイベントを作成できるカスタムイベントを使いましょう。カスタムイベントを作成しキーイベントに設定する方法は以下のセクションで解説しています。ぜひご覧ください。
カスタムイベントを作成しキーイベントに設定する方法
GA4で新しいキーイベントを作成するには以下の2つの方法があります。
- GA4で既存のイベントを組み合わせて新しいイベントを作成し、キーイベントを設定する
- Googleタグマネージャー(GTM)で1からイベントを作成し、キーイベントを設定する
もしGA4にあるイベントを組み合わせて新しいキーイベントを設定できるのならばそちらの方が簡単です。しかし、特定の条件を指定したイベントや1からイベントを作成する場合には、Googleタグマネージャーというツールでイベントを作成します。
カスタムイベントの概要や基本的な操作やGTMの使い方を知りたい方は以下の記事で解説しているのでぜひご覧ください。
- 関連記事:Googleタグマネージャーの使い方
- 関連記事:GA4でカスタムイベントを設定する方法
GA4でキーイベントを作成・設定する方法
GA4で新しくキーイベントを作成するには既存のイベントを組み合わせます。ここでは「お問い合わせ」というカスタムイベントを作成し、これをキーイベントに設定する方法を紹介します。
- GA4にログイン後、サイドバー下部の「管理」を選択する
- データの表示内にある「イベント」を選択
- 「イベントを作成」ボタンを選択する
- イベント作成画面が開いたら「作成」ボタンを選択する
- カスタムイベント名を入力する
※候補がいくつか出てくるがこれは既存のイベント名なので避けて独自のイベント名を付ける
一致する条件には既存のパラメータやイベントなどを入力します。ここでは、お問い合わせ完了ページが画面に表示されたらという条件に設定します。
- 1つ目の条件に、表示されたらという条件を入れたいので「page_view」イベントを入力する
- 2つ目の条件に、お問い合わせ完了ページを指定したいのでパラメータはURLを示す「page_location」を選択し、値はお問い合わせ完了ページのURLを入力する
イベントが作成されたらイベント一覧ページに戻り、先ほど作成したイベントを「キーイベントとしてマークを付ける」
GTMでキーイベントを作成・設定する
GTMでは1からイベントを作成できます。作成方法は、以下の記事で「ウェブサイトに設置された「button_click」というClass属性を持つボタン(リンク)をユーザーがクリックした場合」を例に詳しい設定方法をご紹介しています。ぜひご覧ください。
- 関連記事:GA4でクリックイベントを計測する方法
キーイベントの計測確認方法
キーイベントは「レポート」と「探索」、どちらの機能でも確認できます。実際の計測数値を確認する前に必ずリアルタイムレポートやGTMのプレビューからイベントが機能するか確認しておきましょう。
レポートで各ページのキーイベントを確認する
ここでは各ページのキーイベント数を確認する方法を紹介します。各ページの情報はページとスクリーンタブで確認できます。
- GA4にログイン後、サイドバーの「レポート」を選択する
- エンゲージメント内の「ページとスクリーン」を選択する
- キーイベントを確認する
キーイベントの指標がレポート上にない場合は、画面右上のレポートカスタマイズからキーイベントを追加してください。
探索でキーイベントを確認する
探索機能では、レポートより複雑に条件を指定してサイト分析を行えます。
キーイベントを見たい場合は、ディメンションに「イベント名」指標には「キーイベント」を設定することでキャンパス内にキーイベントの数値が表示されます。
キーイベントが計測されない場合の対処方法
「設定したはずのキーイベントが計測されていない。」という場合の対処方法を紹介します。いくつかのチェックポイントを確認することで、設定や操作に不備が見つかるかもしれません。
イベントが計測されているか確認する
イベントの設定に問題がなく計測もされている場合は、イベントがキーイベントとして設定できていない可能性があります。この場合は、キーイベントのON / OFFの設定を確認してください。
また、イベントが計測されていなければイベントの設定に誤りがあります。使われているパラメータや値(URLなど)が正しいか確認し直してください。
キーイベントの反映には時間がかかる
キーイベントに設定しても、反映には最大で24時間がかかる場合があります。
キーイベントが反映されなくても1日は待ってみましょう。1日以上経ってもキーイベントが反映されない場合は、前述したチェックポイントを確認してください。設定ができていない可能性や、キーイベントがOFFになっている可能性があります。
Webサイト分析ツール「アナトミー」でキーイベントを確認する
アナトミーは、GA4とGoogleサーチコンソールを統合したWebサイト分析ツールです。GA4とGoogleサーチコンソールを行ったりきたりせず1画面でデータを確認できるのでちょっとしたデータの確認からレポートの作成が楽になります。
アナトミーでサイト全体のキーイベントを確認する
サイト全体のキーイベントを確認するには、無料プランで利用できるダッシュボードを使います。ダッシュボードでは、GA4に登録したキーイベントをグラフに設定することができるので、いつでも簡単にデータを確認できます。
アナトミーで各ページのキーイベントを確認する
各ページのキーイベントを確認するには、有料プランから利用できるタイルビュー機能を使います。タイルビュー機能は、1つのページを1つのタイルで表現しクリックするだけで、ページのあらゆる情報を簡単に確認できます。キーイベントはタイル一覧の上にある「CV」タブを選択するだけで、各ページのキーイベント数を確認できます。
まとめ
今回の記事では、GA4のキーイベント(コンバージョン)について解説しました。キーイベントにはWebサイトの重要なアクションを設定します。イベントの選択肢が多い分、初心者には何を設定すればいいか難しく感じるかもしれませんが、キーイベントを有効に活用することができれば、ユーザーの分析やサイトの改善に役立つ情報が手に入るはずです。
また、弊社が開発している、Webサイト分析ツール「アナトミー」では、キーイベントを簡単に確認できます。
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