Googleアナリティクスで検索ワードを調べる方法

Googleアナリティクスで、サイトに流入したときの検索ワードを調べる方法は2つあります。オーガニック検索レポートを使う方法と、検索クエリレポートを使う方法です。それぞれのレポートで分析できる内容に違いがあるので、2つの方法をうまく使い分けてサイト分析を行いましょう。

この記事では、「オーガニック検索レポート」と「検索クエリレポート」を使い、Googleアナリティクスで検索ワードを調べる方法を解説します。

目次

検索ワードを調べることの重要性

ユーザーがサイトに流入たときの検索ワードを調べることには、大きく2つのメリットがあります。

検索ワードからユーザーの検索意図がつかめる

検索ワードからは、ユーザーが何を求めて検索し、サイトに流入したのか、という検索意図が読み取れます。

例えばこの記事では、「検索キーワード not provided」が検索ワードならば「Googleアナリティクスのnot provided とは何なのか」「not providedを掘り下げて調べる方法を知りたい」といった検索意図が読み取れます。

「検索ワード 調べ方」が検索ワードならば、「サイトへ流入してくるユーザーの検索ワードを調べる方法を知りたい」という検索意図が読み取れます。

検索意図が分かれば、コンテンツの改善方針を立てることができます。

検索ワードからページのインデックス状況がつかめる

ユーザーの検索ワードが分かるということは、どのような検索ワードで検索されたときにサイトが検索結果に表示されるかが分かるということです。

コンテンツの内容とずれた検索ワードで流入している場合、コンテンツが意図した内容でGoogleにインデックスされていないかもしれません。

テクニカルSEOの観点で、コンテンツを見直してみると良いでしょう。

オーガニック検索レポートの見方

Googleアナリティクスでは、オーガニック検索(検索エンジン)からサイトに流入したときの検索ワードを表示できます。

メニューから [集客]-[キャンペーン]-[オーガニック検索キーワード] を選ぶと、次のようにキーワードが表示されます。

集客>キャンペーン>オーガニック検索キーワード レポート

検索キーワードごとにセッション数や直帰率などを調べることができます。

検索ワードの「not provided」とは?

オーガニック検索キーワードレポートに表示されたキーワードの第1位は (not provided) になっています。

「not provided」とは、検索エンジンで検索したキーワードを計測できなかったという意味です。「not provided」が全体の95%以上を占めているので、ほとんどが計測できていないことになりますね。

Googleアナリティクスでは、ブラウザが送信するRefererヘッダから、検索ワードを取得する仕組みになっています。Bingで検索すると、サイトへ流入したときにRefererヘッダに検索ワードが含まれるのですが、GoogleやYahoo!から検索したときは、検索ワードが含まれません。そのため、検索エンジンの大半を占めるGoogleやYahoo!のキーワードが「not provided」と表示されているのです。

なお、Bing検索のシェアはPCで10%程度、スマホでは1%未満です。

つまり、オーガニック検索キーワードレポートには、PC検索の10%程度、スマホ検索の1%未満のキーワードしか表示されていないことになります。

(not provided) を可視化するには、「検索クエリレポート」を利用します(後述)。検索クエリレポートでは、GoogleやYahoo!の検索キーワードを調べることができます。

検索ワードの「not set」とは?

「not priovided」に比べ、圧倒的に数は少ないですが、キーワードに「not set」と表示されることもあります。

これも「not provided」と同様、Googleアナリティクス側でキーワードが計測できなかったことを示します。

現状では、DuckDuckGoから検索したときにnot setになることが多いです。

ページごとの検索キーワード分析

検索キーワードをランディングページ(流入したページ)ごとに調べることもできます。

  1. プライマリディメンションの[ランディングページ]をクリックします。
  2. [セカンダリディメンション]をクリックし、[キーワード]を選びます。
ランディングページレポートでセカンダリディメンションとしてキーワードを選定

セカンダリディメンションは「検索キーワード」ではなく「キーワード」を選択してください。「検索キーワード」では表示されません。

  1. [アドバンス]をクリックします。
  2. 左から順に[除外]、[キーワード]、[正規表現一致]、not provided|not set を入力します。
  3. [適用]をクリックします。
not providedやnot setを除外するアドバンスフィルタ

アドバンスフィルタを設定することで、「not provided」や「not set」が除外できるので、一覧が見やすくなります。

検索キーワードごとのコンバージョン分析

どの検索キーワードで流入したユーザーがコンバージョン率が高いか、を分析できます。

オーガニック検索キーワードレポート

母数は少ないものの、キーワードとコンバージョンとの関係が分かります。

「オーガニック検索キーワードレポート」でしか分析できない項目になるので、貴重ですね。

検索クエリの調べ方

Googleアナリティクスの検索クエリレポートを使うと、GoogleやYahoo!の検索キーワードが確認できます。

また、検索ワードだけでなく、掲載順位やクリック率も分かるので、オーガニック検索キーワードより詳しい情報が分かります。

Bingの検索キーワードしか確認できない「オーガニック検索キーワードレポート」の弱点を克服したレポートですね。

ただし、Googleアナリティクスの初期状態では検索クエリを調べることはできず、「このレポートのデータはありません。」と表示されてしまいます。検索クエリを調べるには、事前にGoogleサーチコンソールにサイトを登録し、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールと連携します。

手順① Googleサーチコンソールにサイトを追加する

Googleサーチコンソールが初めての方は、Googleサーチコンソールに登録します。

また、既にサーチコンソールのアカウントがあり、計測したいサイトをサーチコンソールに登録していないときは、サーチコンソールを開き、サイト(プロパティと呼びます)を追加します。

検索したキーワードがGoogleサーチコンソールに反映されるまでに2~3日かかります。また、サーチコンソールに登録した後から、キーワードの蓄積が始まります。サーチコンソールはできるだけ早く登録しておきましょう。

手順② Googleサーチコンソールと連携する

GoogleアナリティクスをGoogleサーチコンソールと連携していない場合は、以下の手順で連携します。

  1. 管理画面を開きます。
  2. Googleサーチコンソールと連携するサイトのプロパティを選びます。
  3. [プロパティ設定]メニューを選びます。
  4. [Search Consoleを調整]をクリックします。
Googleアナリティクス管理画面のプロパティ設定
  1. [追加]リンクをクリックします。
サーチコンソールと連携
  1. Googleサーチコンソールのサイトを選択します。
  2. [保存]をクリックします。
Googleサーチコンソールでサイトを選択

サーチコンソールのサイト一覧には、URLプレフィックス型(ドメインプロパティではない方)しか表示されません。Googleサーチコンソールにドメインプロパティしか登録していない場合は、URLプレフィックス型でサイトを登録してください。ドメインプロパティとURLプレフィックス型の共存はOKです。

手順③ 検索キーワードを表示する

登録から2~3日すると、[集客]-[SearchConsole]-[検索クエリ] メニューでキーワードが表示されるようになります。

集客>サーチコンソール>検索クエリレポート

検索キーワードのほか、クリック数や表示回数、平均掲載順位が表示されます。

平均掲載順位とは、検索結果の何番目にサイトが表示されたかを示すものです。クリック率は順位に左右されやすいので、思うように集客できていないならSEO対策で順位を改善してみるのも良いでしょう。

ページごとのキーワード分析

上記に表示されたキーワードは、サイトへ流入したときの全キーワードです。流入したページ(ランディングページ)ごとにキーワードを調べるには、Googleサーチコンソールを使います。

オーガニック検索レポートにサーチコンソールのデータは反映されない

Googleサーチコンソールと連携すると、[集客]-[Search Console]が見れるようになるだけです。

オーガニック検索レポートには、これまでと変わらず「Not Provided」が残り続けるので、間違えないようにしてください。

検索クエリレポートの数値とサーチコンソールの数値との違い

ページによっては、検索クエリレポートの表示回数やクリック数と、Googleサーチコンソールの表示回数やクリック数が一致しない場合があります。検索クエリレポートの数値が少なく見えることもあれば、大きく見えることもあります。

これは、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールとでランディングページの分類方法が異なるためです。

Googleアナリティクスにおけるランディングページは、ユーザーがブラウザでアクセスしたURLです。一方、Googleサーチコンソールは正規URLで、いくつかのURLをまとめた代表URLとなります。PC版・スマホ版・AMP版のようにページが複数のURLに分かれているときに発生しやすくなります。

また、GoogleサーチコンソールのURLには、次のように「#」から始まるフラグメントが含まれることがあります。

Googleサーチコンソールはフラグメント付きURLが記録される

このようにURLの集計方法に違いがあるため、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールとで数値の不一致が発生します。

Googleアナリティクス4プロパティで検索キーワードを調べる方法

ここまでは、ユニバーサルアナリティクスプロパティで検索キーワードを調べる方法を紹介してきました。

一方、GA4プロパティはサーチコンソールとの連携に対応していないので、GA4プロパティで検索キーワードを調べることはできません(2021年9月現在)。

ユニバーサルアナリティクスとサーチコンソールを連携し、ユニバーサルアナリティクスのオーガニック検索レポートや、検索クエリレポートを使って分析することになります。

GA4プロパティとサーチコンソールの連携が可能になりました。連携方法については、こちらの記事で詳しく説明しています。

検索エンジンごとに分析できる項目

結局、Googleアナリティクスで何が分析できるのか、検索エンジンごとに整理しました。

Google
Yahoo!
Bing
検索キーワード
掲載順位×(※2)
ページごとの
検索キーワード分析
× (※1)
キーワードごとの
コンバージョン分析
×

※1 Googleサーチコンソールで分析可能。
※2 Bingウェブマスターツールで分析可能。

Googleアナリティクスに加え、GoogleサーチコンソールやBingウェブマスターツールを使えば、ほぼオールマイティな分析ができるといえますね。

まとめ

以上、Googleアナリティクスで検索ワードを調べる方法を紹介しました。

Bingの検索数は少ないですが、Googleアナリティクスで設定を行う必要なく、検索キーワードを確認できます。Googleの検索キーワードは、サーチコンソールと連携することで、クリック率や掲載順位も含めて確認できます。

また、サイト内の検索キーワードを効率よく調べるには、専用の分析ツールがあると便利です。アクセス解析&SEO分析ツール「アナトミー」のキーワード分析機能を使うと、キーワードとページビューなどGoogleアナリティクスの指標とをあわせて確認できます。

検索キーワードの分析に活躍するので、ぜひGoogleサーチコンソールでサイト登録を行ってください。

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