GA4でPDFダウンロード数を計測する方法

ホワイトペーパーや製品カタログ等のPDFファイルをWebサイト上に掲載した場合、それらのファイルがどれくらいユーザーにダウンロードされているか、確認したいという要望は多いでしょう。

この記事では、GA4(Googleアナリティクス4)でPDFファイルのダウンロード数を確認する方法をご紹介します。PDFに限らず、エクセルやZIPファイルなど、他の形式のファイルでも応用可能です。

目次

GA4では拡張計測機能によってデフォルトで計測される

PDFをWebに掲載する場合、フォームを入力したユーザーにファイルを改めて送付する方法や、直接サイト上にPDFファイルを配置してクリックしたユーザーにPDFを表示する方法があります。

前者であれば、フォームの送信数やフォームの完了ページの閲覧数でファイルのダウンロード数を把握することができますが、後者の場合、GA4の拡張計測機能で計測されている「file_download」というイベントの数を確認する必要があります。

「file_download」イベントの計測はデフォルトで有効になっているため、GA4導入後であれば設定を変更していない限りは、ファイルのダウンロード数はGA4上に記録されています。

ファイルダウンロードの計測が有効になっているか確認する

「file_download」イベントの計測が有効になっているかどうかは、GA4の以下の画面で確認できます。

  1. GA4のメニューから「管理」を選択
  2. 「データの収集と修正 > データストリーム」を選択し、使用するデータストリームを選択する
  3. 「イベント > 拡張計測機能」の欄で、「ファイルのダウンロード」が有効になっているか確認する
  4. 有効になっていない場合は、歯車アイコンより「ファイルのダウンロード」を有効にする
GA4でファイルダウンロードの計測が有効か確認する画面例

GA4の「探索」機能でPDFダウンロード数を確認する

実際に「file_download」イベントの数を確認するためには、GA4の「探索」レポートを作成する必要があります。GA4の「探索」機能でPDFダウンロード数を確認する方法を説明します。

  1. GA4メニューより「探索」を選択
  2. 「空白」をクリック
GA4で新しい探索レポートを「空白」から作成する画面例
  1. 作成したレポートを保存する場合は、「データ探索名」に任意の名前を設定する
  2. データを確認したい期間を選択
  3. 「ディメンション」から「イベント > イベント名」「全般 > ファイル名」を選択
  4. 「指標」から「イベント > イベント数」を選択
  5. 「行」をクリックして「ファイル名」を選択
探索レポートでディメンションを選択する画面例
  1. 「値」をクリックして「イベント数」を選択
  2. 「フィルタ」をクリックして「イベント名」を選択、マッチタイプは「完全一致」式は「file_download」を選択
探索レポートで指標とフィルタを指定する画面例

※デフォルトでは10件しかデータが表示されません。「表示する行数」で表示件数を変更することができます。

探索レポートの「表示する行数」の画面例

※このレポートにはエクセルやzipファイルなど、全てのファイルが含まれます。PDFファイルに限定するには、フィルタをさらに一つ追加し、「ファイル名」を選択、マッチタイプは「最後が一致」、式に「.pdf」を設定します。

探索レポートのフィルタの画面例

PDFダウンロードがあったページを確認する

さらに、「探索」レポートでは他のディメンションと組み合わせることで、例えばPDFダウンロードがどのページで発生したかなど、より詳細なデータを確認することができます。

  1. 前の設定に加えて、「ディメンション」に「ページ / スクリーン > ホスト名」「ページ / スクリーン > ページパスとスクリーン クラス」を追加
  2. 「行」に「ホスト名」「ページパスとスクリーン クラス」を追加
ファイルダウンロード数をページパスと組み合わせて確認する画面例

※「行」に複数のディメンションを指定すると、レコード数が多くなってデータの確認がしづらくなります。フィルタを上手く活用してレコード件数を調整しましょう。

ファイルダウンロードとして計測されるファイルの種類

公式のドキュメントによると、GA4では、「file_download」イベントとして計測されるファイルの拡張子が以下のように定義されています。

pdf|xlsx?|docx?|txt|rtf|csv|exe|key|pp(s|t|tx)|7z|pkg|rar|gz|zip|avi|mov|mp4|mpe?g|wmv|midi?|mp3|wav|wma

PDFの他にもエクセルやパワーポイント、ZIPファイル等のファイルが「file_download」イベントとして計測されます。一方で、この定義から漏れた拡張子を持つファイルのダウンロード数を計測したい場合には、Googleタグマネージャ等を使って独自に計測設定をする必要があります。

特定のPDFファイルのダウンロード数をカスタムイベントとして設定する

リスティング広告のコンバージョンとして、または単にGA4のコンバージョンとして、特定のファイルのダウンロード数を登録したい場合には、カスタムイベントとして登録する必要があります。

ここでは、特定のファイルのダウンロード数をカスタムイベントとして設定する方法を紹介します。なお、上記の目的がない場合にはこの設定は必要ありません。

  1. GA4のメニューから「管理」を選択
  2. 「データの表示 > イベント」を選択
  3. 「イベントを作成」をクリック
GA4のイベント一覧画面
  1. 「作成」をクリック
GA4の一覧画面からカスタムイベントを作成する画面例
  1. カスタムイベント名を入力
  2. パラメータに「event_name」、演算子に「次と等しい」、値に「file_download」を入力
  3. 「条件を追加」をクリックして、パラメータに「file_name」、演算子に「次と等しい」、値に計測したいファイル名を入力します。ファイル名は、先頭に「/」が必要なので注意が必要です。他にも、ページのURLやリンクのID・クラスなどの条件を追加することもできます。
  4. 「作成」をクリックして保存
GA4のカスタムイベント作成画面

作成したカスタムイベントの確認方法

カスタムイベントを作成したら、正しく設定されているか確認しましょう。

  1. GAのメニューより「レポート」を選択
  2. 「リアルタイム」を選択
  3. Webサイト上で実際にPDFを表示すると、リアルタイムレポートの「イベント数」に作成したカスタムイベントが表示されます。
GA4のリアルタイムレポート画面

※この方法でカスタムイベントが表示されない場合、設定が間違っている他にも、以下の可能性が考えられます。

  • カスタムイベントが有効になり、レポートに反映されるまでには若干のタイムラグがあります。少し時間をおいてからもう一度確認しましょう。
  • GA4が社内からのトラフィックを除外する設定になっている可能性があります。GA4の管理者に確認してみましょう。

Webサイト分析ツール「アナトミー」ならPDFのダウンロード数を可視化できる

Webサイト分析ツール「アナトミー」のタイルビューでは、PDFダウンロードがどのページで何回発生したのかという情報を、画面デザインと一緒に確認できます。※コンバージョンとして設定する必要があります

アナトミーのPDFダウンロード数の画面例

緑色のタイル上の数字がPDFがダウンロードされた数で、青色のタイルが流入元のチャネルを表しています。
上記の例だと4つのページでPDFがそれぞれ1回づつダウンロードされ、その流入元が「email」であるということが分かります。

イベントが発生したページのURL文字列の情報だけでなく、画面デザインや流入元のデータと一緒に確認できるので、画面とデータの紐づけが視覚的に行えます。

PDFダウンロード数の推移も確認できる

さらに「アナトミー」では、無料で利用できるダッシュボードで、ファイルダウンロード数の推移をグラフで確認することができます。

アナトミーでファイルダウンロード数の推移を確認する画面例

「アナトミー」のダッシュボードでは、カスタムイベントを含めたGA4の各イベントの発生数の月ごとの推移がグラフで可視化できます。

この例ではファイルダウンロードの総数の推移を表示していますが、特定のファイルのダウンロード数なども、カスタムイベントに登録することでグラフ表示可能です。

まとめ

PDFを始めとするファイルのダウンロードは、ユーザーの購入に繋がる重要な行動であることが多いです。GA4でのPDFダウンロードの計測方法を理解して、ダウンロード数をしっかり追えるようにしましょう。

Googleアナリティクスを「見える化」するWebサイト分析ツール「アナトミー」を使えば、流入元からPDFダウンロードまでのユーザー動線を1画面で分析することができます。PDFダウンロード数の推移をグラフで確認することもできます。Googleアナリティクスとも併用できるので、興味のある方はぜひトライアル登録をしてみてください。

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